本記事は、高橋ダン氏の著書『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
相場の波に乗れる!チャートのツボ
短期投資では、相場の波に乗ることが重要です。相場が上昇するときに「買う」、相場が値下がりするときには「売る」のです。これを投資の世界では「順張り」といいます。
逆に、相場が値下がりしているときに「安くなった」と考えて買う方法もあります。これを「逆張り」といいます。
私自身、「逆張り」を何百回も試しましたが、相場の波に乗る「順張り」のほうがリスクリワード(損失と利益の割合)は良くなると考えています。
もう一つの法則は、「大きな波に1回乗るよりも小さな波に10回乗ったほうが利益を確保しやすくなる」という考え方です。
たとえば、1万円の利益を確保するのにも、1回の投資で得るには、相場が1万円以上値上がりしなければなりません。しかし単純計算でいうと、10回の投資で1万円を確保するなら、1回ずつの利益は1000円でいいことになります。
これは利益率で考えても同じです。1回の株式投資で100%のリターンを狙うには、株価が2倍にならなければなりません。そんなチャンスはまずありませんし、あったとしても時間がかかるでしょう。
そうではなく、10回の投資で100%を狙うなら1回の値上がりは10%で済みます。株価が10%値上がりする確率は株価が2倍になる確率よりはるかに高いでしょう。10%の利益を10回狙ったほうが実現する確率は高くなるのです。
投資回数が多いのは、安全性の面でも有利といえます。10回の投資のうち1回が大失敗に終わっても、9回の成功で損失をカバーできるからです。
summary 1回で100万円儲けるより10万円を10回儲けるほうがおすすめ。
ウォーレン・バフェットの逆を実行した短期戦略
短期投資というと、「常にPCの画面とにらめっこしながらデイトレードをしなければならない」と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。
私が言っている短期投資は「ポジションを長期的(1年以上)ではなく、数日から数ヵ月持つ」という意味です。
ポジションを短期にすればリスクにさらされる時間が短くなる傾向があるため、それを生かして波に乗るのが私の戦略です。
アメリカの航空会社のETF「JETS」を使って説明します。
2020年5月、新型コロナウイルスの感染拡大によって「世界が変わる」として、ウォーレン・バフェットが保有していたアメリカの航空株をすべて売却したと報道されました。
このとき、逆に私はアメリカの航空株のJETSを買っていたため、YouTubeではたくさんのコメントをいただきました。
なぜ、私は自信を持って買えたのか。それはチャートを分析した結果、「短期的には上がる」と判断できたからです。結果的に大きな利益を得ることができました。
私は個別銘柄にはあまり投資しません。理由は、(1)破綻リスクを報じたニュースの影響で株価が変動することがあるため、(2)規模の大きな機関投資家が多くの保有銘柄を売ったりすると価格が激しく変動するリスクがある、つまり波を見つけるのが難しいためです。
なので、私が購入するのはETFが基本です。ETFへの投資だけでも大きなパフォーマンスが狙えます。
ローソク足チャートを見て、1本のチャートのブロックの大きさを確認します。たとえば、価格減少しているときは黒のブロックが大きくなります。黒のブロックが階段状に下がっていくときは危険です。
逆に白のブロックが階段を上がっていくときにはチャンスです。移動平均線(一定期間の価格から平均値を計算し、折れ線グラフで表したもの)は期間25日に設定しています。日足のチャートなら25日は、約1ヵ月の営業日の日数である25を表しますので、「約1ヵ月間の値動きの平均」を意味します。
単純な戦略でいえば、チャートが移動平均線を下に突き抜けるときは、短期的に下がるトレンドが始まっています。逆にチャートが移動平均線を上に突き抜けるときは、上がるトレンドを意味します。
summary 有名な投資家の真似をするよりもチャートを信じて短期投資すべし!
出来高をチェックすれば売買戦略が見えてくる
移動平均線の次にチェックすべきなのは「出来高(取引量)」です。出来高は重要な指標で、特にJETSでは出来高に注目していました。ウォーレン・バフェットが売ったニュースが出たのは5月くらいでした。実際に売ったのは1〜3月ですが、情報が出たのはこのころです。
そこで私は出来高を見ました。下がっている日の出来高があまり多くはなかったので、売りはそれほど強くないと認識したのです。逆に価格が上がっている日の出来高は下がっている日より何倍も大きかったので、さらに自信を持ちました。
特に5月27日には、大きな出来高になりました。直近1~2ヵ月の平均の何倍も大きい出来高でした。これだけの出来高になるということは、「買いたい人が多かった」と予想できます。
結果、そこから相当上がりました。
ですから、チャートのブロックの次は出来高をチェックするのがおすすめです。
その次が「MACD(マックディー)」です。2つの線がクロスするときに価格の方向が変わります。これが最もシンプルな見方です。
最後が「ストキャスティクス」。使い方はMACDと似ていて、2つの線がクロスするとき価格の方向が変わります。また、2つの線が網掛けの部分を超えるとき過大評価されている、下回るときは過小評価されていると判断します。
実際に私が買った4月と5月は、MACDが上昇傾向でした。そのときの出来高を見ると強い傾向を示していました。さらに、ストキャスティクスも上がっていました。これらを考え合わせて良い投資だと思ったのです。
もし短期投資する場合には、ここで紹介しているテクニカル指標をすべて使わなくても大丈夫です。1つでも波を見つけることができます。2つ、3つ使えば理想的です。
最も簡単なのは、前述した「移動平均線を使う方法」です。チャートが25日の移動平均線の上にあるときは上昇トレンド、下にあるときは下落トレンドと判断します。それに加えて出来高を見る、これが初心者におすすめの戦略です。慣れてきたらMACDやストキャスティクスを追加してください。
あなたが見ている銘柄、ETF、債券、コモディティ……何でも構いません。そのチャートでトレンドを見つける、短期戦略で投資してみることもおすすめします。
自分で少しずつ試して自信を持てたら、短期投資の割合を少し多めにしてもいいでしょう。
summary 価格が上がったとき出来高が多ければ買いたい人がたくさんいる証拠。
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