【初心者向け】株式投資はいくらから儲かるもの?少額投資の3つの方法
(画像=ZUU online編集部)

「株式投資には、まとまった資金が必要」というイメージを持っている人も多いようです。しかし実際には、株は数万円からでも始められます。また、まとまった資金でなくてもリターンを得られる可能性も十分にあります。この記事では、株式投資を始めるための目安額、少額投資でも儲けやすい方法、初心者が失敗しないための考え方などをわかりやすく解説します。

目次

  1. 株は「数万円」「少額」から始めても儲かるかもしれない投資!
    1. 株を始めるにはいくら必要?数万円でも始められる!
    2. 数万円~50万円から始めるのがおすすめ
  2. 少額の株でも利益は出る?どれくらい儲かるのかシミュレーション
    1. 【方法1】株主優待でお得な特典を狙う
    2. 【方法2】NISAで高配当銘柄に投資する
    3. 【方法3】10万円が100万円に!テンバガーとは?
    4. 【方法4】つみたてNISAで長期投資をする
    5. 少額の株式投資のメリットとデメリット、および対処法
  3. 少額で株式投資をする方法には「単元未満株」などもある
    1. 単元未満株での取引例
    2. 単元未満株のメリットとデメリット、および対処法
  4. 少額で株式投資ができる銘柄をスムーズに探す方法
    1. SBI証券のスクリーニング機能の使い方
    2. 楽天証券のスクリーニング機能の使い方
  5. 少額投資でも押さえておきたい「意識すべき注意点」と「株初心者のNG行動」
    1. 株式投資で意識すべき注意点:生活費と貯金、投資額のバランスを考える
    2. 株初心者の5つのNG行動:株式投資では、勝つこと以上に負けないことが大事
  6. まとめ:少額投資で知識と経験を身につける
    1. 投資初心者におすすめの本10選。学びのポイントと注意点を解説
    2. 30代「貯金と投資」の割合は?資産運用を成功させるポイントと注意点を解説
    3. 株式投資をやっている人の割合は?資産運用をしているのはどんな人たち?
    4. 「投資を10万円ではじめたい!」何から始める?どんな投資先がある?

株は「数万円」「少額」から始めても儲かるかもしれない投資!

株式投資には数百万円の準備が必要だと思い込んでいないでしょうか。実際には、株式投資は数万円程度の少額からスタートして、利益を得ることも十分可能です。ここでは株式投資の「少額投資」について説明します。

株を始めるにはいくら必要?数万円でも始められる!

株を始めるには、いくら必要であるかは企業の株価によります。基本的には株を購入するための最小単位は100株なので、株価が1000円なら10万円、1万円なら100万円の資金が必要です。多額の資金が必要かのように見えますが、生活において身近な商品やサービスを展開している有名企業の株でも数万円で購入できる場合も数多くあります

例えば、もし10万円以下で株を始めたい場合は、株価が1000円以下の企業を探す必要があります。現時点では、以下のような企業が当てはまります。

<1株1000円以内の企業例(2022年12月13日終値)>

株価 必要金額 企業名
318円 3万1,800円 アコム
362.7円 3万6,270円 Zホールディングス
451円 4万5,100円 ENEOSホールディングス
462.5円 4万6,250円 日産自動車
472円 4万7,200円 ヤマダホールディングス
487.7円 4万8,770円 野村ホールディングス
507円 5万700円 東京電力ホールディングス
521円 5万2,100円 ラウンドワン
556円 5万5,600円 コニカミノルタ
638円 6万3,800円 楽天グループ
687円 6万8,700円 伊藤ハム米久ホールディングス
690円 6万9,000円 東急不動産ホールディングス
723.6円 7万2,360円 東レ
758円 7万5,800円 三菱UFJフィナンシャル・グループ
997.5円 9万9,750円 旭化成

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~400万円 0円(無料) 0円(無料) 4400円 4400円 5500円 1835円
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数万円~50万円から始めるのがおすすめ

どの企業にどうやって投資したいかによって用意するべき金額は異なりますが、もし何も決まっていない場合は多くとも50万円程度あれば十分です。理由は、50万円準備すればほとんどの企業が投資できる対象に入ってくるので、普段の生活でよく使う製品やサービスを展開している企業が発見しやすいからです。

1990年代は9割以上が50万円以上なければ買えない株が多かったのですが、東証の投資単位引き下げ方針により、実に9割以上が50万円未満で購入できる株となっています。

さらに、上場銘柄の約4割は1単元10万円以下で投資できる銘柄から構成されています。10万円程の5銘柄ぐらい保有して、分析しながら損益管理していくことでリスクを下げる分散投資も可能になるので、より効果的です。

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少額の株でも利益は出る?どれくらい儲かるのかシミュレーション

数十万円の少額で株式投資をした場合、利益はどれぐらい見込めるのでしょうか。投資スタイルやリスクの許容度により、利益額はある程度変動するので、ここでは投資法別でいくら投資するとどのぐらい利益が出る可能性があるかシミュレーションします。

リスクを取ってでも短期間で大きく利幅を伸ばしたいのか、または長期的に積み立てを行うことで、リスクを抑えて着実に資産を増やしていきたいのかなど、リスクに対する考え方は投資する前にしっかりと固めておきましょう。

【方法1】株主優待でお得な特典を狙う

株主優待は、モノやサービスで得ることとなるため金銭的な価値はないものの、株価上昇による値上がり益や配当とともに、株主としてのメリットを受けることができるものです。

投資金額を考えるとコスパが良いといえる株主優待を挙げてみます。

企業名 最低投資金額
(22年12月13日終値)
株主優待(100株購入の場合)
ヤマダホールディングス 47,200円 ヤマダデンキグループで使用できる
・お買物券500円分(3月末時点の株主)
・お買物券2,000円分(9月末時点の株主)
楽天グループ 63,800円 ・楽天キャッシュ1,000円分(5年以上保有)、500円分(5年未満保有)
・楽天トラベル 国内宿泊クーポン1,500円分
アステナホールディングス 43,100円 ・食料品や化粧品などの自社製品3,000円相当(1年以上保有)、5,000円相当(3年以上保有)
東京個別指導学院 53,500円 食料品や図書券など1,500円相当

優待に加えて、年間配当がある東京個別指導学院に100株投資した場合の利益はどれぐらいか計算してみます。

東京個別指導学院の年間配当や優待は次の通りです。

東京個別指導学院に100株投資した場合
必要な投資額 年間配当予想 株主優待の価値
53,500円
(22年12月13日終値が1株535円)
2,600円 1,500円

100株あたりの年間配当金+株主優待の価値を合算すると、2,600円+1,500円=4,100円の利益となります。

株主優待を加味した配当利回り=(100株あたり年間配当実績+株主優待の価値)÷最低投資金額の式に当てはめると、7.66%となります。一般的には、配当利回りが4%を超えると高配当銘柄として位置づけられます。

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【方法2】NISAで高配当銘柄に投資する

投資初心者にとって、NISAを利用して高配当銘柄に投資するという考え方も有効です。NISAとは、NISA口座(非課税口座)内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。

売却時の売却益全額が非課税となるだけではなく、配当も非課税とすることができます(本来は20%程度の税金がかかります)。そのため、高配当であればあるほど非課税の恩恵を受けることができるため、NISAとの相性に適しているといえるでしょう。

主な高配当銘柄と投資額、配当利回りは以下の通りです。

企業名 最低投資金額(22年12月13日終値) 100株当たり年間配当予想 配当利回り(%)
商船三井 337,000 55,000 16.32
日本郵船 314,300 51,000 16.23
NSユナイテッド海運 388,500 34,000 8.75
乾汽船 195,700 17,300 8.84
三井松島ホールディングス 323,000 27,000 8.36
川崎汽船 260,700 20,000 7.67
石油資源開発 394,500 30,000 7.6
西松建設 393,500 28,500 7.24
富士興産 112,500 8,100 7.2
三ツ星ベルト 340,000 24,000 7.06
※配当利回り=100株当たり年間配当÷最低投資金額×100で計算
※配当利回り(%)は少数第3位を四捨五入して算出

高配当銘柄を探す指標として注目すべきは、会社が予想している配当から割り出した配当利回りです。

この割合が高いほど、投資に対する配当が多いという目安になります。

商船三井や日本郵船をはじめとした、海運業が多くなっているのは、物流がひっ迫したことによる海上運賃の急騰や円安の影響があり、各社で利益が積みあがっています。その積みあがった利益を配当で還元しているため、配当利回りが非常に高くなっていることが考えられます。

ただし、NISA口座で配当を非課税とするためには、証券口座にて「株式数比例配分方式」の手続きをする必要があります。「株式数比例配分方式」とは配当金を証券口座で受け取る方法で、例えば楽天証券ではこの方式がデフォルト設定となっています。

当社での口座開設時の配当金受取方法は「株式数比例配分方式」に設定されています。

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【方法3】10万円が100万円に!テンバガーとは?

テンバガーとは、株価が10倍以上になる大化け銘柄のことです。

このような銘柄は、時によって激しい値動きをしながら上昇するため、投資する際に一定のリスクが伴う可能性もあります

企業が今後成長するための潜在的な可能性があったり、新製品・サービスが大ヒットして業績が急拡大する場合、企業の株価が10倍になることもあるでしょう。

また、テンバガーを付けた銘柄は、2008年9月のリーマンショック以降、2022年1月末時点で946銘柄にも及びます。(参照:日本経済新聞 2022年3月4日付

経費精算システム「楽楽精算」でおなじみのラクス(70倍)やECプラットフォーム「BASE」を運営するBASE(22倍)がテンバガーを達成しています。

最近では2021年にシステム開発のグローバルウェイや、スマートフォンゲームアプリ開発のバンクオブイノベーションがテンバガーを達成しています。

グローバルウェイは2020年3月13日に23.8円(分割後の値に調整後)の上場来安値を付けましたが、その後急騰し2021年11月2日に2,192.5円の上場来高値を付けました。

グローバルウェイ チャート画像

グローバルウェイ チャート画像
出典:MoneyWorld

バンク・オブ・イノベーションは2020年3月17日に1,092円の上場来安値を付けたあと、2022年11月1日に16,300円の上場来高値を付けています。

バンク・オブ・イノベーション チャート画像

グローバルウェイ チャート画像
出典:MoneyWorld

グローバルウェイは約3ヵ月半で株価53倍に急騰しており、バンク・オブ・イノベーションは約9ヵ月で株価11倍の値上がりをしました。

テンバガー銘柄が急騰し始める初動で購入するのは非常に難しく、その前からある程度、目を付けつつ投資を検討しておかなければなりません。

例えば、グローバルウェイの場合、2021年の11月に最高値を付ける前の2021年7月から8月にかけて、出来高が急増している時期があります。

この時期はまだ分割調整後換算で株価は100円台でした。

このタイミングで購入し1,000円を超えた所で売却しても、テンバガーの流れに乗ることができたともいえます。

テンバガー銘柄の傾向として、「情報通信」と「サービス」の2つが3分の1超を占め、この中から時流に乗った銘柄を選定していくことがポイントのようです。(参照:日本経済新聞 2022年3月4日付

長期的な視点で銘柄の分析をしつつ、急騰した場合には短期的な視点で売り時も考えるという、難しいかじ取りが必要になってくるため、一定の難易度はあるでしょう。

テンバガーを達成する銘柄の傾向として、高値を付けた後には急落も想定されることから、売り時のタイミングを見計らう必要があります。

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【方法4】つみたてNISAで長期投資をする

長期投資は初心者や少額投資と相性がいいと言われています。その理由は、投資初心者は、短期的な視点でどちらに動くか分からない株価を常に追うよりも、長期的に上昇傾向にあるかを追う方が向いているためです。

初心者は、株の投資経験が少ないことから、短期的な売りや買いの判断に困ることも多いでしょう。さらに、短期間でまとまった資金を投資することにリスクがあることや、準備することが難しいことも考えられます。したがって、長期的投資は、投資初心者や少額投資と親和性があるといえます。これらの双方をかなえるのがつみたてNISAであり、長期運用の視点で毎月少額を将来のために積み立てていく考え方ともマッチするでしょう。

また、つみたてNISAは一定額を拠出して積み立てるため、株価が下落したときは多めに、上昇したときは少なめの株数が購入できる点もポイントです。これはドル・コスト平均法という考え方ですが、購入価格が平準化するため、初心者にとっては、株価に一喜一憂せずに購入することができます。

具体的なシミュレーションを紹介します。

毎月の積立額を3万円、年間想定利回りを3%、積立期間を10年とした場合です。

10年間の総元本360万円に対して、運用収益は59.2万円となり、最終積立金額は419.2万円となりました。

つみたてNISAは国が定めた基準を満たした投資信託の中から選ぶ必要があります。運用成績の良いものを見定めていけば、年間の想定利回り3%というものも見つけることができるのではないでしょうか。

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少額の株式投資のメリットとデメリット、および対処法

少額の株式投資には、まとまった額の株式投資と比べたときのメリット・デメリットがあります。これらをしっかり把握したうえで、少額の株式投資を始めるのが賢明です。

少額投資のメリット
  • 投資を実践しながら学べる

これは株式投資の初心者にとって大きなメリットです。なぜなら、株式投資は実際にやってみてわかることも多々あるからです。

例えば、「長期保有が大事」と理解していても、実際には早すぎるタイミングでの利確(利益を確定させること)や損切りをするパターンは初心者にありがちです。多額の予算でいきなり投資を始めてしまうと失敗したときのダメージが大きいですが、少額投資なら許容できる範囲内のダメージで経験を積み重ねることができます

なお、「限られた予算で分散投資をする」ことも少額投資で可能な場合もありますが、実際には少額では分散投資の機会は少ないことが一般的です。また少額投資ではリターンが少なく、手数料を考えるとほとんど利益が無いことも考えられるため、分散投資を行う場合はあくまでも「分散投資の練習」と考えたほうが無難です。

では、少額投資のデメリットについても見ていきましょう。対処法もあわせて解説しますので、ご確認ください。

少額投資のデメリット
  • リターン(利益)が少なくなりがち
  • 手数料が割高になりがち

・少額投資のデメリット1 :リターン(利益)が少なくなりがち

少額の株式投資では、リスクが限定的な反面、「リターンが少ない」というデメリットがあります。例えば、200万円(100株)の銘柄が20%値上がりすると 含み益は40万円になりますが、2万円(100株)の銘柄が20%値上がりしても利益は4,000円にしかなりません。手数料を差し引くとほとんど手元に残らないか、マイナスになる可能性もあります。

【対処法】

上記のように投資規模が小さいとリターンも少額になります。まとまったリターンを得たいなら、段階的に投資規模を膨らませていく必要があります。

・少額投資のデメリット2:手数料が割高になりがち

少額の株式投資では手数料が割高になりがちです。例えば、楽天証券の株式取引の手数料は、取引金額5万円だと55円、取引金額50万円超~100万円までだと535円となっています(※)。「取引金額5万円まで」と「50万円超~100万円まで」の手数料を比べると、5万円までのほうが取引額1円あたりの手数料が2倍程度割高です。

【対処法】

楽天証券含め大手ネット証券では、1日あたり一定額までの取引手数料を無料とする売買プランを用意しています。少額での取引ならこちらを利用するとよいでしょう。ただし、この一定額までの売買手数料無料プランは、一定額以上の取引の手数料がより割高になるケースもあるので、利用する際には注意しましょう。

※現物取引の超割コースの場合の手数料(税込)

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少額で株式投資をする方法には「単元未満株」などもある

1章で紹介したのは、「100株単位で安い株式を探して購入する」方法でした。しかしこの方法では、1株あたりの株価が高い銘柄は、少額投資だと手も足も出ません。そこで100株単位で購入しなくても、1株や10株など単元未満で購入できる株を探す方法があります。ここでは「単元未満株」での投資について説明します。

単元未満株での取引例

例えば、任天堂やファーストリテイリングといった人気企業の株価は1株あたり6万円台~8万円台と高額です(2020年12月11日時点の株価)。100株単位で買うと600万円、800万円になってしまいます。

これらの高値銘柄でも、1株から購入できる「単元未満株」のサービスがあります。例に挙げた任天堂やファーストリテイリングといった銘柄でも、単元未満株を利用すれば手軽に購入できます。例えば、ファーストリテイリングでは、2株、3株など購入株数を自由に設定可能です。

ただし、単元未満株はすべての証券会社で利用できるわけではありません。二大ネット証券でいえば、SBI証券は単元未満株の取り扱いがありますが(サービス名「S株」)、楽天証券は単元未満株を取り扱っていません。また、単元未満株のサービス名は証券会社によって変わってきます。例えばマネックス証券では「ワン株」と呼ばれます。

なお、単元未満株と似たサービスには、10株単位で株取引ができる「ミニ株」もあります(SMBC日興証券の「株式ミニ投資」など)。単元未満株の購入は、各証券会社にサービス内容を確認のうえ利用してください。

単元未満株のメリットとデメリット、および対処法

少額で投資ができる単元未満株のメリットとデメリットを3つずつ紹介します。あわせて、デメリットを解消するための対処法も解説します。

単元未満株のメリット
  • 株価が高い企業にも投資ができる
  • 100株単位と同様、配当を受け取れる
  • 限られた予算でも、複数の企業に分散投資しやすい
単元未満株のデメリット
  • 取引時間に制限がある(リアルタイムの株取引ができない)
  • 株主優待が受けられない場合が多い
  • 取引額が少ないので短期リターンが期待しにくい

・単元未満株のデメリット1:取引時間に制限がある(リアルタイムの株取引ができない)

【対処法】

単元未満株の取引は、「注文入力は24時間可能だが、市場発注は決められた時間に行う」(例:SBIネオモバイル証券)などサービスによって異なります。希望するサービスを受けられる証券会社を探してみましょう。

・単元未満株のデメリット2:株主優待が受けられない場合が多い

【対処法】

1株からでも株主優待が受けられるケースもありますが、多くの企業では、100株以上が対象です。株主優待に魅力を感じて投資する場合は、単元株購入を目指しましょう。

・単元未満株のデメリット3:取引額が少ないので短期リターンが期待しにくい

【対処法】

なぜ単位未満株を選ぶのか、目的をはっきりさせましょう。値上がりによる短期リターンを期待するならば、単元株の購入も検討しましょう。

<参考>少額投資ができるサービスの一例

少額投資ができるサービス例としては、本文中で紹介したもの以外にも、以下のようなものもあります。現金ではなくポイント購入できるものもあるため、自分にあった投資方法を見つけて実践してみましょう。

・「日興フロッギー+docomo」:dポイントで100円分から株を購入可能
・「ネオモバ」:Tポイントで1株から株式投資

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「そもそも少額で株式投資できる銘柄をどうやって探せばいいのか?」という疑問を持つ人もいるでしょう。ネット証券に口座を持っている方なら少額投資ができる銘柄をピックアップするのは簡単です。スクリーニング機能を使えば、予算内で買える銘柄を自動的に選んでくれます。

ネット証券のなかでも最大手のSBI証券と楽天証券のスクリーニング機能を例に使い方を見てみましょう。以下の例はパソコンでの操作を前提に解説しています。

SBI証券のスクリーニング機能の使い方

証券口座のトップページから「国内株式」を選択。さらに検索バー下の「スクリーニング」を選択すると、下記の画面が表示されます。検索条件を設定するだけで予算に合った銘柄が絞り込めます

SBI証券スクリーニング
画像引用:SBI証券

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楽天証券のスクリーニング機能の使い方

証券口座のトップページ(資産合計ページ)から「国内株式」を選択。さらに検索バー下の「スーパークリーナー」を選択すると、下記の画面が表示されます。検索条件を設定するだけで予算に合った銘柄が絞り込めます

画像引用:楽天証券

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少額投資でも押さえておきたい「意識すべき注意点」と「株初心者のNG行動」

少額投資では少ないリスクでの投資の「練習」が可能ですが、将来的に投資額を増やしていくためにも、少額のうちから株式投資に対して注意すべき点やNG行動は押さえておきましょう。

株式投資で意識すべき注意点:生活費と貯金、投資額のバランスを考える

株式投資は手持ち資金のバランスを考えて行う必要があります。少額投資を考える人はすでにこの点をしっかり意識しているかもしれませんが、あらためて、「生活費や貯金は先に確保したうえで、余剰資金を投資に回す」ことを徹底しましょう。このほか、株式投資では利益の目標額や損切のタイミングなどもあらかじめ決めておく必要があります。

株初心者の5つのNG行動:株式投資では、勝つこと以上に負けないことが大事

株式投資では、利益を出すこと以上に「負けないこと、大損しないこと」がなによりも重要です。なぜなら、一時的に損をしても、手元資金が残っていれば時間をかけて後から取り返すことも可能だからです。逆に、手元資金の大半を失ってしまえば挽回が難しくなります。

初心者が大損しないためには、「株式投資でやってはいけないこと」を避けることがポイントになってきます。とくに注意したいのは次の5つの行動です。

株初心者のNG行動
  • 信用取引を使う
  • 塩漬け株を損切りできない
  • 自分の判断に執着する
  • 人気があるからという理由で買う
  • 見方や考え方を単純化しすぎてしまう

・株初心者のNG行動1:信用取引を使う

初心者の株式投資は「現物取引」が基本であり、急落しても耐えられる範囲内で投資をするのが賢明です。逆に「信用取引」は初心者のうちは避けましょう

信用取引とは、証券口座に入れた証拠金の約3倍の株取引ができる仕組みです。仮に10万円の証拠金を預ければ約30万円までの株取引が可能になります。このように手元資金にレバレッジをかけることでリターンを膨らませることができますが、初心者が信用取引に手を出すのは非常にリスキーです。

失敗パターンでよくあるのが、「現物取引でリターンを出した後に、気持ちが大きくなって信用取引をはじめて痛い目にあう」というものです。「とても安定している」と世間でいわれている企業でも、株価が急落することはよくあります。不祥事、商品開発の失敗、さらには天災、紛争、経済危機など急落リスクはたくさんあります。

・株初心者のNG行動2:塩漬け株を損切りできない

「これぞ!」と選んだ銘柄が長期的に値下がりし続けることもあります。損失が膨らんでいるのに保有し続けている銘柄を「塩漬け株」といいます。塩漬け株をいつまでも持ち続けて損切りできないのも、初心者が避けたい行動です。

仮に、30%下落した株式をそのまま保有し続けても、その後反転しなければ30%損をしたままです。この株式を売却した資金で違う銘柄を選び直し、それが値上がりすれば損した部分は回収できます

もちろん、これは長期保有を否定しているわけではありません。損失を抱えた塩漬け株でも、どこかで反転する根拠(チャートや市場変化など)があれば、そのまま保有し続けるという判断もありでしょう。

・株初心者のNG行動3:自分の判断に執着する

初心者は株式投資の知識や情報が少ないため、狭い視点で判断を下してしまいがちです。株式に限らず、投資には客観的な視点が求められます。柔軟な思考ができるよう、普段から経済情報や有識者の意見などを幅広く収集することが大切です。

・株初心者のNG行動4:人気があるからという理由で買う

「ランキング上位だからこの銘柄を買おう」「爆上がりしているからこの銘柄を選ぼう」といった具合に、なんとなくの感覚で株式を購入するのも初心者にありがちな行動です。投資においては、「みんなが買っていること」はプラス材料になりません。むしろ、期待先行で人気の場合は急落リスクがあり、マイナス材料となることもあります。

人気があるかないかの前に、「中長期的な成長力があるか」「企業価値に対して株価が割安か」「財務内容は健全か」など複数の視点でチェックし、最終的には自己判断で銘柄を選ぶべきでしょう。いつでも適切な判断が下せるよう、投資をテーマにした本、雑誌、Webメディアなどを通して知見を得ていく努力も必要です。

・株初心者のNG行動5:見方や考え方を単純化しすぎてしまう

株式投資には、深い知識や豊富な経験に基づいた分析が必要です。初心者には難しいかもしれませんが、少しずつでも知識を集め、経験を積む心構えで臨みましょう。

例えば、「儲かっている企業の株価は上がる」といった見方は、単純化しすぎです。儲かっている企業の株が決算直後に急落することはよくあります。逆に、儲かっていない企業の株が決算直後に急騰することもあります。これは、投資家心理が株価トレンドに大きな影響を及ぼしているからと考えられます。このように株価を表面上で判断してしまうと損失を招く原因となります。

他にも、よくいわれる投資セオリーに「株とは安く買って高く売るもの」というものがあります。これは底値が判断できる投資家であれば正しい考え方です。しかし初心者の場合、そもそも底値の判断ができません。安く買ったつもりが大暴落前の株をつかんで大損ということもあるので要注意です。

ここで紹介した以外にも、株式投資の初心者がやってはいけないことはあります。あわせて、株式指標を読むための基本的な知識も必要です。これらを理解するには、株式投資の入門書を読むのが近道です。評価の高いロングセラーの例としては、ジョン・シュウギョウ著『世界一やさしい 株の教科書 1年生』、ダイヤモンド・ザイ編集部による『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門』などがあります。

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まとめ:少額投資で知識と経験を身につける

いかがでしたか。この記事では株式投資初心者のための少額投資について以下の内容を解説しました。

・株式投資は少額でも始められる

一般的な投資は100株単位で取引しますが、一株当たりの株価が安い銘柄を選べば少額でも投資が可能です。また単元未満株を利用する方法もあります。実際に少額投資ができる銘柄を探す方法としては、ネット証券のスクリーニング機能が便利です。

・少額の株式投資でもリターンを得やすい方法がある

少額投資にはリターンが少なくなりがちというデメリットがある一方、やり方次第ではしっかりリターンを出すこともできます

・初心者は株式投資で大損しないために注意点や避けたい行動を意識する

知識を補い、経験を積んで、堅実な投資を心掛けましょう。

株式投資は、知識と経験の両方を身につけることでレベルアップできるという点でクルマの運転と似ています。少額投資は、ミスをしても大きな事故にならない教習コースのようなものといえるでしょう。いままで株式取引をしたことのない人は、少額投資で慎重かつ気軽にはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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