本記事は、高橋ダン氏の著書『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
情報をたくさん集め、自分の“心”で判断する
私は12歳から現在までの23年間、投資を続けています。23歳以降は固定給を受け取っておらず、運用で得た成果報酬と個人財産を投資したパフォーマンスで生活をしています。
その経験の中で、世界のお金持ちの方法論も取り入れた結果、投資で利益を出すための法則をいくつか見つけました。それを整理していくと「5つ」に絞られました。ここでは「投資で利益を出す5つのルール」を紹介します。
なお、私は「短期売買=取引」「長期運用=投資」と考えていますが、いずれの手法でもリスクがあります。そのリスクをいかに抑えるかが重要です。
【ルール1】情報をできるだけ集める
取引と投資の世界では「情報は武器」です。武器が多いほど選択肢が増え、判断が正確になります。
金融市場は、言ってみれば“戦場”です。基本的に、誰かが1円稼いだときには、他の誰かが1円を失っているからです。これを「ゼロサムゲーム」といいます。
この“戦場”を生き抜くために、どのように情報を集めればいいのか。詳しくは190ページで解説していますが、私は毎日『日本経済新聞』『ブルームバーグ』『トレーディングエコノミクス』『CNBC』といった約10の新聞やネットメディアをチェックしています。
このときのポイントは、時間をかけすぎないこと。報道されるニュースを一つひとつ深掘りしていったら、どれだけ時間があっても足りません。なので私は、まず「見出し」をチェックし、気になったものを詳しくチェックするようにしています。
【ルール2】他の人の意見だけで決断をしない
新聞やネットニュースだけでなく、SNSやブログなどでも情報はあふれ返っています。
しかし、膨大な数の意見を見聞きしたとしても、最終的には自分の“心”で決断しなければなりません。実際には「心」と「頭」です。情報ソースが家族でも友人でも会社の上司でも誰であっても、その人の意見だけに頼らないことが重要です。
summary どんなに信頼できる情報でも一度は疑ってみることが大切。
【ルール3】分散投資をする
投資先、投資商品を多様化させる、つまり「分散投資」の勧めです。
取引や投資の際に、人間はときどきミスをします。それは100%避けられません。ですから、地域や投資商品が多様化したポートフォリオをつくることが重要なのです。
日本人の多くは資産が日本とアメリカに偏っている傾向があります。しかし、ドイツ、フランス、スペイン、ブラジル、ロシア、中国、インドなどにも目を向けるべきです。特にインドや東南アジアをはじめとする新興国は有望です。
投資をする際には個別株を選ぶのは初心者には難しい面もあるので、ETF(上場投資信託)で投資先を多様化するのがおすすめです。
そのときには安心できる証券取引所に上場されているものを買うのがいいでしょう。
投資した理由を記録する
【ルール4】買う理由、売る理由を記録する
取引や投資をするときは記録を取る。これは私がファンドで働き始めたとき、先輩にアドバイスされたことです。
たとえば、新たに株式を購入したら、購入した理由を書きます。それと同時に、前もって売る理由も書いておきます。「こうなったら売る」というルールを記しておくのです。
あるいは「こうなったら、自分の判断が間違っていたので売る」と損切りのルールも書いておきます。
これがないと、自分が間違えても「自分は正しい」と都合よく解釈してしまいます。そう、自分に嘘をついてしまうのです。結果、失敗から学ぶことができないので何度も同じ間違いをしてしまいますし、感情のコントロールもできなくなります。
書く方法は手書きである必要はありません。私はPCで管理していて、定期的に見返すようにしています。過去の自分と対話するといまの自分を客観視できるので、次の判断にも生かすことができます。
summary 自分に嘘をつかないためにもルールをしっかり書いておく。
売買は“少しずつ”行う
【ルール5】一度に大きく売買しない
新しく買ったり売ったりするときは、一度に売買してはいけません。感情に動かされるのではなく、複数回に分けて投資しましょう。
たとえば、買いたい株式が下がっているとき、ついつい「いまがチャンスだ!一気に儲けてやろう」と思ってしまうものです。しかし、一度に買うことはおすすめできません。
10万円で買おうと思っているなら、まずは3万円だけ買う。その後に下がったらまた3万円買う。さらに下がったら4万円買う。そうやって少しずつ買うのです。売るときも同様です。
投資では想定外の出来事により、暴騰・暴落することがあります。全額を同じタイミングで投資してしまうと、万が一暴落したときに大損害を被る可能性があります。
世界のお金持ちは、投資に対して「いかに儲けるか」よりも「どれだけ失敗を減らせるか」を考えています。
「すでにお金を持っているから、そう考えられるんでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。お金に“欲”を持ちすぎると、むしろ逃げていくことを感覚的にわかっているからです。うまくいきすぎているときほど、自制する精神を持つ。これが投資で成功するために必要なマインドです。
利益の目標は立てない
投資をするとき、「何%のリターンを目指す」といった目標を立てる人もいると思います。しかし、目標にこだわりすぎると、投資に対してネガティブな気持ちが強まります。特に初心者にはこの傾向があるので注意してください。
たとえば、目標リターンを10%に設定して、実際に5%しか得られなければ、どうでしょう。「自分は才能がない」「投資は向いていない」「やっぱり貯金が一番だ」などと思い込んでモチベーションが下がってしまいます。
そうなると、中長期で見れば上がる商品を売ってしまったり、日課にしていた情報収集をしなくなったり、アンテナを張る意識がなくなったり、いいことは何もありません。
利益の目標は立てず、余裕資金でリラックスして投資する。これが大切です。
summary リターンを目標に設定すると、達成できなかったときにネガティブになり逆効果。
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