USニューズ&ワールド・レポート誌の「世界最高の国ランキング2020年版」が発表され、スイス、カナダ、日本がトップ3に輝きました。
トップ10とともに、日本が総合順位を1つ下げた要因を探ってみましょう。

世界最高の国トップ10

金融
(画像=jayzynism/stock.adobe.com)

10位(2019年順位9位) ノルウェー
9位(11位) オランダ
8位(6位) スウェーデン
7位(8位) 米国
6位(5位) 英国
5位(7位) オーストラリア
4位(4位) ドイツ
3位(2位) 日本
2位(3位) カナダ
1位(1位) スイス

日本・英国・スウェーデンが後退

このランキングは同誌が毎年発表しているもので、世界73カ国を9つの主要項目(冒険的要素・市民の権利・文化的影響力・起業家精神・文化的資産・発動力・ビジネスへの開放性・権力・生活の質)に基づいて評価したものです。
前年からトップ10の顔ぶれに大きな変化はないものの、カナダとオーストラリア、米国が順位を上げたのに対し、日本と英国、スウェーデンは順位を下げました。また、トップ10入りを果たしたオランダに代わり、ノルウェーとフランスは圏外という結果です。

日本の総合スコアは97.9ポイント

日本の評価結果は以下の通りです。
起業家精神 2位(2019年1位)
発動力 5位(5位)
文化的影響力 6位(6位)
権力 7位(7位)
文化的資産 10位(10位)
生活の質 14位(13位)
市民の権利 17位(17位)
ビジネスへの開放性 25位(22位)
冒険的要素 34位(39位)

日本のビジネス環境のアピール力が低下?

日本が世界的に高評価を受けている「起業家精神」は、イノベーションや技術的専門知識、熟練労働力、十分に開発されたインフラ、透明性のあるビジネス慣行など、起業で成功する要因を評価したもの。しかし、前年から1つ順位を下げています。
優遇措置などビジネスに有利な税制度や、製造コストの低さ、官僚制度などを評価する「ビジネスへの開放性」も3つ順位を下げた事実と照らし合わせると、日本のビジネス環境の世界に対するアピール力が、若干弱まっていると解釈せざるを得ないでしょう。
しかし、官僚制度、ダイナミック、起業家精神、イノベーション、技術的専門知識に焦点を当てた、同誌の「Most Forward-Looking Countries(最も先見の明がある国ランキング)」では、首位を獲得しています。「未来を予測し、人々が変化に迅速に対応できる環境作りに積極的な国」としての評価は、世界一高いということになります。