主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(木)の為替相場
(1):予想を上回る豪貿易黒字
(2):日銀審議委員「利上げに反対しているわけではない」
(3):米新規失業保険申請件数は増加
(4):ルペン氏「予算を成立させることは可能」
▼5日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米雇用統計は10月の反動が期待/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(木)の為替相場
期間:5日(木)午前7時10分~6日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):予想を上回る豪貿易黒字
豪10月貿易収支は59.53億豪ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(45.00億豪ドル)を大幅に上回った。鉱物性燃料などの輸出が予想以上に伸びた。
(2):日銀審議委員「利上げに反対しているわけではない」
日銀の中村審議委員は広島で講演を行い、今後の金融政策について「多くのデータを確認し、経済の回復状況に応じて金融緩和度合いを慎重に調節していくことが重要な局面だ」と述べて、早期の利上げに慎重な姿勢をあらためて示した。ただ、午後の記者会見では年内の利上げの可能性を問われ「利上げに反対しているわけではない。経済の回復状況に応じて変えていくべきであり、データやヒアリング情報に応じて判断していくべきだ」と発言。これを受けて円が上昇した。
(3):米新規失業保険申請件数は増加
米新規失業保険申請件数は22.4万件と市場予想(21.5万件)を上回り、前週(21.5万件)から増加。11月最終週は感謝祭の祝日があったために、データがいくぶん歪められた可能性もある。これより前に発表された米11月チャレンジャー人員削減数は5.77万人と、前月(5.56万人)からやや増加した。
(4):ルペン氏「予算を成立させることは可能」
フランスのバルニエ内閣が崩壊する原因となった予算案を巡り、極右・国民連合(RN)の実質的リーダーであるルペン氏が「数週間のうちに予算案を成立させることは可能だ」との見解を示した。欧州債券市場はこれをポジティブに受け止め、仏長期金利が低下。ユーロは上昇した。