サイエンス 青山恭明 会長
(写真=リフォーム産業新聞/ サイエンス 青山恭明 会長 )

サイエンス(大阪府大阪市)が、入浴装置「マイクロバブルトルネード」の開発、販売を開始して8年。ハウスメーカーによる標準採用で売り上げを伸ばし、現在は体験した芸能人の口コミなどでも話題になっている。今後は、リフォーム向けに展開を拡大させたいという青山恭明会長に、開発の秘話や展望について聞いた。

マイクロバブルトルネード。既存のユニットバスにビルトインで設置しマイクロバブルを発生させる


芸能人の口コミが大反響に

◆御社のマイクロバブル入浴装置は、芸能人が愛用している様子がテレビ放映されて、話題になりました。

昨年、ゴールデンタイムのバラエティ番組で、当社の「マイクロバブルトルネード」の映像が流れましたが、われわれは全く知らなかったんです(笑)。

"よしもとの美容番長"で有名なシルクさんが、毎日シュノーケルを使って顔を浸しながら入浴していると話し、ロンドンブーツ1号2号の淳さんが体験される様子が放送されました。その後、淳さんも購入し愛用されている写真もツイッターで発信されたので、問い合わせが殺到しましたね。1000件くらいはあったでしょうか。

◆シュノーケルを付けて入浴しているのですか(笑)。どんな効果があるのでしょう。

男性は、「入浴するだけで体の汚れが落ちるのがいい」、「体臭が気にならなくなった」と言われる方が多いです。女性の方は、シルクさんのように顔も含めた全身の美容効果がうれしいとおっしゃいます。「小鼻の毛穴の汚れが取れた」「かかとがツルツルになった」というエステ感覚です。

他に温浴効果が高いため「毎日温泉に入っているみたい」という声も多く聞きます。またボタン一つでジェットバスに切り替わるのですが、他社さんと比べてとても静かなので、夜間でも気兼ねなく使えると好評です。

◆マイクロバブルの商品開発を始めたきっかけは何でしょう。

「マイクロバブル」とは、直径わずか1μm、1000分の1㎜の細かな泡で、例えるとPM2.5と同じくらいのサイズです。これまで機械や半導体の洗浄等の業務用に使われていました。たまたま小型化された発生装置を見た時に、これを風呂に使ったらどうか、と思ったのです。

その話を、当社のセントラル型浄活水装置を納めていたタカラレーベンの社長さんに話したら、「それはいい」と言われ、早速開発し、標準仕様になりました。


テレビCMで周知拡大を狙う

◆売り上げはいくらでしょうか。

マイクロバブルトルネードを扱い始めて丸8年がたちましたが、売り上げは、設立年を除けば、増収増益を続けています。前期は消費増税の影響もあって8億7000万円でしたが、今期はすでに13億円の見込みです。

ハウスメーカーやデベロッパー等の物件への採用が多いです。「お客様がマイクロバブルを体験されることで、家一軒が売れる」というほど、差別化に活用していただいています。

◆最近は特約店、代理店を増やしているそうですね。

ある時、ハウスメーカーの社長さんに「単体での販売はしないのか」と聞かれました。マイクロバブルを採用する前の家を買われたお客様から「同じ住宅メーカーなのに、後付けできないの?」と言われたそうです。そこで2、3年前から代理店展開も始め、販路を広げました。

当社の装置は、どのようなメーカーの浴槽でもビルトインで後付けできることが売りです。ですから、リフォームにも向いているんです。現在、全国で50社程度ですが、今後はどんどん増やしていきたいと思っています。

◆今後販売の展開はどのように考えられていますか。

販路の拡大ということでは、ホテル等に採用されて女性用プラン等にも使われています。

今、他社さんもいろいろ参入されていますが、"加圧"と"せん断"の絶妙なバランスで発生させる当社のマイクロバブルは、オンリーワンの技術だと自負しています。今年はテレビCMなども行って、それを周知させていきたいですね。パートナー企業さん、ユーザーさんに当社の製品を通じて喜びと感動をお伝えできれば、勝手に売り上げはついて来ると思っています。(提供: リフォーム産業新聞 8月18日掲載)

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