5月14日の株式市場で西武ホールディングス(証券コード9024)が一時、2,005円まで上昇し、4月23日に上場してから初めて2,000円台を付けました。前日の業績発表で経常利益が381億円と前期に比べ73億円増加、直近予想からも29億円上振れ、配当予想も2円増配、今期も増益(経常利益で394億円)を予想するなど、業績の堅調さが反映される形となりました。鉄道事業が好調なうえに、外国人旅行客の増加を受け、ホテル・レジャー部門の伸びが業績を底上げする模様です。
西武ホールディングスの上場にはちょっとしたごたごたがあったことは記憶に新しいです。当初2,300円を想定していた公開価格は結局、仮条件の下限である1,600円となりました。上場初日は一時公開価格よりも2.2%安くなったものの、最終的には1,770円で取引を終了しました。5月14日に2,000円の大台に乗せたものの、上場初日は苦戦と言ってよいでしょう。昨年はIPOが盛り上げり、抽選で当たれば儲かるという状況が続きましたが、今年はそれほど甘くはありません。ジョイフル本田(証券コード3191)、トレックスセミコンダクター(証券コード6616)、丸和運輸機関(証券コード9090)、ジャパンディスプレイ(証券コード6740)、日立マクセル(証券コード6810)のように初値が公開価格を下回る案件も多くみられるようになりました。
これらの銘柄に共通して言えることは、行っている事業に目新しさがないということではないということです。西武ホールディングスは鉄道・不動産、ジョイフル本田はホームセンター、トレックスセミコンダクターは半導体デバイスの研究開発・設計製造・販売、丸和運輸機関はサードロジスティックス・運輸事業など爆発的に売り上げが伸びるような要素が表面的にはイメージできません。また、ジャパンディスプレイや日立マクセルなどスポンサー企業による資金回収の思惑が見え隠れする銘柄も結果的に敬遠されていると言えます。ここら辺に多くの投資家が様子見をする理由があるのではないでしょうか。
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