宿泊予約は年間100件を超える! 売り上げは月20万~30万円ほど

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ゲストに貸し出している一室(写真=IOさん提供)

IOさんがホスト登録をしたのは、2013年夏のこと。それ以来、沢山のゲストを招いて滞在の場を提供してきました。「当時『Airbnb』 はちまたには浸透していなくて、周りにも知っている人は少なかったのですが、『どんなものかな』と試しにホスト登録をしてみたところ、思いの外、多くの予約が入りました。『これはいけるかな』と思いました」とホストを始めた頃を振り返ります。

IOさんの物件は、JR山手線の駅から徒歩5分ほどの一軒家。ご実家です。ご両親が引っ越すことになり、そのタイミングで実家に戻ることになったそうです。実家は1人用が1室と2人用が2室、計3室が空いていました。

海外旅行を楽しむ経験のなかで、ゲストを迎え入れる「ホストファミリー」に憧れていたIOさんは、たまたまGmail上に表示されたAirbnbの広告を見たそうです。空いている部屋があるし、自分も憧れのホストになれる。

「海外の友人は『Airbnb』を知っていました。それから(ホストは)けっこう儲かるみたいだよ、という話も聞きました。怖かったけれども、やらないよりはいいかな、と登録しました」

こうして、一人暮らしでは実現できなかった、ホストへの一歩を踏み出しました。

ホスト登録をしたのが夏季の休暇シーズンだったこともあり、すぐに予約が入り「すごいな」と思ったそうです。宿泊の実績を聞くと、予約件数として2013年は数カ月だけで40件。2014年、15年はそれぞれおよそ100件。今年は5月11日までで70件超だそうです。実家に住みながらゲストを迎え入れているIOさんは、運用代行業者に依頼することなく、すべてご自身で管理をしています。

「今年は予約のペースが速くて、昨年の件数を超える勢いです。もっとも、これは『最低宿泊数』の設定を変更したから、とも考えられます。昨年までは『3泊以上』でしたが、今年から『2泊以上』に変更しました」。予約件数の増加は、訪日旅行者の急増に加えて、例えば台湾や韓国からのゲストは週末だけの利用が多かったり、または限られた旅行日程の中で東京から地方都市に移動したりするなどの、ゲストのニーズを満たしていることが背景にあります。

Airbnbサイト上でレビューの数が多く、ゲストから好意的な声が多く届いているようです。

売り上げ状況について聞いたところ、「シーズンにより異なりますが」としたうえで、「大体、月20万~30万円くらいでしょうか。自分の家なので、光熱費はかかりますが利益率は良いかと思います。掃除も私たちでやっていますし、賃料を払うプレッシャーも無いので『予約が入ったらいいね』という姿勢です。家に居ながら、家事の延長でホストをしています。約3年経ちますが『やって良かったな』と思っています」。

IOさんは、物件への先行投資も行っています。ホスト登録から1年ほど経った頃にリフォームを施したそうです。「築30年以上は経っていたので、リフォームしたいな、と考えていたのですが、(初年度の売り上げを見て)これならローンを組んで収益から月々の返済ができると思い、リフォームをしました」。その際にリフォーム会社からの提案のもと、消火器を設置したり2階にロープを設置したりと、消防法を考慮した部屋造りを行なっています。