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(写真=FabrikaSimf/Shutterstock.com)

いつの時代でも誰もが病気のリスクを抱えています。入院費用はどれほど必要なのか、医療保険(入院保険)によってどのくらいカバーすることができるのか、気になるところではないでしょうか。

今回は、医療保険に加入する前にぜひ知っておきたいポイントについて解説します。

入院保険とは

入院保険とは、一般的にいう医療保険のことです。病気やケガをして入院するとき、条件を満たしていれば給付金が支払われます。かつて入院保険は、生命保険の特約として取り扱われていたようですが、現在では多くの保険会社が入院保険を取り扱っています。

もともと発売当初から入院保険には、保険金が支払われるためには「20日以上の入院」等との免責日数が設定されていましたが、現在は1泊2日などの短期入院や日帰り入院にも適用されるものが多くなってきました。

日々新しい治療技術の開発が行われ、従来の保険ではカバーしきれない高度かつ高価な医療(先進医療)が増えてきています。治療の選択肢を広げるためにも、数多くある保険プランから、自分に合った医療保険を選ばなくてはいけません。高齢者だけではなく若い年齢層も、病気やケガのリスクは当然あります。リスクに備えるうえで、入院保険は考えるべきものであるといえるでしょう。

保険に加入したほうがいい人とは?

「国民皆保険制度」によって病院の会計が3割の自己負担で済んだり、「高額療養費制度」により1ヵ月間にかかった医療費が、所定の自己負担上限額を超えた分は払い戻しされたりと、日本では国民のすべてが手厚い医療保障を受けることが可能です。ですが、その対象から外れるもののとして先進医療(一般治療と共有する診察や検査、投薬などは対象)があります。先進医療が保険対象になるかは、先進医療会議などを経て判断され、必ず対象になるとは言い切れないのです。

しかし、民間の入院保険に加入したとしても、入院状況によっては必ずしも支払った保険料に見合った保障が受けられるとは限りません。たとえば、保険商品ごとに異なる入院保障日数は「保障期間と通じての入院日数」で設定しているものもあれば、「1入院あたりの入院日数」で設定しているものもあります。前者であれば、繰り返しの入院によって上限を超えてしまった場合、後者の場合は1回の入院が規定日数を超えた場合、給付金が受け取れなくなってしまいます。

そのため、入院保険はすべての人が必ず入らなくてはいけない保険とはいえません。加入する必要性が高いか否かは、金銭面のみで簡単に分けるならば次のようになります。

● 入院保険加入の必要性が高い人
万が一に備えた貯蓄が十分ではない人、扶養者がいる人、自営業の人など

● 入院保険加入の必要性がそこまで高くない人
貯蓄が十分にあって万が一の事態への備えがある人、勤め先の福利厚生で十分な保障がカバーできる人など

ただし、勤め先の福利厚生が十分でも、退職後も保障が継続されるのかは確認をしましょう。

入院費用は1ヵ月でどのくらいかかる?

入院となった場合、具体的にどのくらいの費用が必要になるのでしょうか。(公益財団法人)生命保険文化センターによる『平成28年度 生活保障に関する調査』によると、入院時に必要だった自己負担費用は平均で22万1,000円でした。その内訳は「10万円から20万円未満」が39.3%と最も多く、「5万円から10万円未満」が17.5%、「20万円から30万円未満」と「30万円から50万円未満」が13.1%という結果がでています。

1日あたりの自己負担費用について見ると、平均額は1万9,835円となり、「1万円~1万5,000円未満」が24.5%と最も多くなっています。「2万円~3万円未満」も14.1%と高い割合を示しています。想像よりも高いと思う人が多いのではないでしょうか。

ただ、これらの金額には「高額療養制度」の対象から外れる、差額ベッド代やテレビ視聴のためのテレビカード代なども含まれるため、それらを利用しなければ費用を抑えることはできます。しかし、治療期間を快適に過ごすために、利用した場合はある程度の出費があるということなのです。

保険の給付金額で、入院費用はカバーできる?

生命保険文化センターによる『平成28年度 生活保障に関する調査』によると、入院に備えた生命保険に加入している人の割合は、72.9%でした。2013年の時点の70.5%からは少し増えており、依然として約7割を超える人が生命保険に加入しています。

ただし、注意しなければいけないことがあります。それは、医療保険に加入しているからといって、すべての治療費が保険によってカバーできるわけではない点です。前述した入院日数のこと以外にも、対象になっている疾患や給付の手厚さなど、保険商品ごとに確認して不明瞭な点については質問しましょう。その上で、賄えない部分は自分たちで蓄えるなど、自分の身は自分で守るということを念頭に考えることが大切です。

流動性のある資金は、医療費に限らず想定外の出来事に対応することができます。たとえば、医療費のために医療保険、不足分を補うことのできる流動性のある資金も同時に準備する、など計画を立てておくことが必要なのです。

今回は金銭面に焦点を当てて医療保険を検討するポイントをご紹介しましたが、生活習慣や体質、家系的な理由で病気のリスクを持っている場合もあります。金銭面と自身の体の状態を総合的に考えて、自分に合った保障を準備しましょう。 (提供: 保険見直しonline

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