三菱商事 <8058> と日立製作所 <6501> は5月15日、ミャンマー国内の鉄道向け信号システムを受注したと発表した。両社とミャンマー国鉄と締結した契約を元に、鉄道信号システム一式の提供が実施される見通しで、同プロジェクトには国際協力機構(JICA)が、無償資金協力による資金供与という形で協力することも併せて両社が明らかにした。

日立製作所は社会イノベーション事業の一つとして鉄道事業を推進しており、英国の高速鉄道向けの車両の製造納入を行うとともに、イタリアの鉄道関連製品メーカーであるフィンメカニカから鉄道信号事業の譲渡を受けるなど、積極的に展開してきた。ほかにも、カタールの地下鉄システムの受注を受けるなど、海外での実績をさらに重ねてきており、さらに大手日系企業として両社が新たな鉄道関連のプロジェクトを開始する格好だ。

三菱商事もアジアや中東地域で、車両・鉄道関連設備の供給契約を履行した実績を持っており、日立の車両システムを鉄道向けのソリューションをワンストップで提供できるとのことだ。

発表によればこのほど、両社で納入するのは、車両の位置を一元的に把握するための列車中央監視装置から、安全な運行を実現するための信号灯、分岐器の制御に用いられる電子連動装置、自動的に警報を作動させる踏切自動警報装置など。今回のプロジェクトでは、据付工事まで両社で請け負う形になる予定だ。

両社が参画するプロジェクトでは、ミャンマーの旧首都であるヤンゴンからマンダレーまでの、主要鉄道幹線の一部で、長さ140キロメートルの区間となる。

両社は「ヤンゴンとマンダレー路線の全区間の近代化など、複数の鉄道プロジェクトが計画されている。三菱商事と日立は、今回の受注を皮切りに、今後もミャンマーでの将来案件の受注に向けて積極的に取り組んでいく」としている。(ZUU online 編集部)

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