人口の高齢化が進む中、介護業界では人手不足が深刻化しています。体力面、精神面でも現場は非常に過酷な環境となっており、非常に離職率が高い業界としても有名で、将来を担う有望な人材が育たない事が課題となっています。
この問題を重く見た日本政府は介護福祉士の報酬を引き上げ、待遇の改善をすべく来年度(15年4月)の改定に向け検討を始めました。
介護報酬は3年に一度国が必要に応じて改定する事になっており、来年15年は次回改定年となっています。前回(2012年)の改定でも介護報酬は平均で6千円程上昇しており、ここ数年は右肩上がりで推移していますが離職率は依然高止まりしたままとなっております。
導入された消費税に対しても迅速な対応がされていて、既に介護報酬は今年4月に消費税8%に対応した0.63%を引き上げています。仮に15年10月に消費税が10%となっても今回同様に介護報酬を引き上げる事が了承されています。 介護報酬が1%上昇すると介護費用が900億円増大し、今後も右肩上がりの様相が長期間にわたり続くと見られています。 この政府の方針に潤うのは介護業界に進出している事業者で、これほど見通しがはっきりとしている業界は他にないと思われます。
この業界の特徴としてはニーズにサービスが追い付いていない売り手市場を形成している事です。大量生産的なサービスを提供するのは難しい業種なので、電化製品などの様なサービス単価の下落は起きにくい事もポイントです。 この様に介護業界に進出している事業の株は、賃上げの追い風を受けて長期間の上昇トレンドを期待できる銘柄と考えられます。
下記に関連銘柄と主な事業をご紹介します。
【介護業界関連銘柄】
① セントケア・ホールディング(2374:JASDAQスタンダード)
首都圏を中心に訪問介護,デイサービス、介護住宅、老人ホームまで手掛ける総合介護サービス事業を全国展開。 トータルソリューションでニーズに応える。
訪問介護、訪問看護、定期巡回ようの携帯端末用ソフトウェアの開発を行っている。 訪問時データの一元管理、オンラインデータ活用等で介護業界にITソリューションを提供している。
福祉用具サプライ事業(車いす・介護用ベッド等)、在宅介護サービス事業を展開。特に福祉用具は豊富なラインナップを 有している事が特徴。
関連記事:
入会金1億円!?〜富裕層向け超高級老人ホームってどんなとこ?〜
Photo: ホームヘルパーとらのあな