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(写真=PIXTA)

今秋に行われるアメリカの大統領選で、共和党の最有力候補となっていることでも話題のドナルド・トランプ氏。当初は泡沫候補とされていたにも関わらず、現在では民主党のヒラリー・クリントン氏と並び、大統領の有力候補の一人となっています。一部ではその大胆な発言に批判が出ているものの、有権者の価値観に訴えかける演説が、低所得の白人層を中心に支持を集めています。

トランプ氏と言えば不動産投資家として世界的に有名であり、長者番付の常連でもあります。「世界の不動産王」ドナルド・トランプ氏は、どのように不動産投資を行っているのでしょうか。

総資産4,600億円! 不動産ビジネスを世界規模で展開

トランプ氏はペンシルバニア大学で不動産について学び、学生時代から父親とともに不動産開発業に携わっていました。同大学院を卒業後、父親が経営していた不動産会社に入社。父親は比較的所得の低い層へ向けた団地などの不動産ビジネスを行っていたのに対して、トランプ氏は「どうせ何か考えるなら、大きく考えた方がいい」という信条を持ち、オフィスビルやホテル、商業施設などの大規模な不動産ビジネスを積極的に展開しました。

父の会社を継いだ現在は、世界の都市部やリゾート地に、大規模ホテル・高層ビルなどを経営しており、現在の総資産は約4600億円と言われています。

また、トランプ氏と言えば、自らが所有するビルやホテルに「トランプ」の名を入れることでも有名ですが、メディアへの露出も多くその発言や演説がしばしば話題になります。良くも悪くも国民への印象を強めていることは確実で、「トランプ・ブランド」を不動産の世界でも、政治の世界でも確立しています。

自分の足で調査し、好立地に新築不動産を所有

トランプ氏が不動産ビジネスを行うに当たって、原則としていることがいくつかあります。彼が経営している物件の特徴には、まず「立地の良さ」があります。

世界有数の大都会であるニューヨークの「トランプ・ワールド・タワー」や、ラスベガスの「トランプ・インターナショナル・ホテル・ラスベガス」、観光地として絶大な人気を誇るハワイの「トランプ・タワー・ワイキキ」など、どれも世界トップレベルの都市部や観光地です。郊外やアクセスの悪い場所にはほとんど物件を所有していません。また、中古物件もほとんどなく、土地を購入してゼロから建てる新築物件が経営のメインとなっています。

「アクセスの良さ」「新築」という2つの好条件が揃った物件に、入居者・利用者の人気が集まることは間違いありません。またオフィスビルも、都心にある大規模ビルは上場企業や大手企業などが入りやすく、テナントが継続的に集まるという点があります。

また、トランプ氏は土地を購入する際、コンサルティング会社などに頼らず、自分で調査することを心掛けています。実際にその土地に足を運び、近隣住民などにあらゆる質問を行い、投資対象として適しているかどうかを見極めるのです。「自分で調査し、自分で結論を出す」という信条が、現在の大成功へとつながっていると言えます。

不動産取引を成功させるための計画を、5~6パターン用意する

実はトランプ氏は不動産取引に対して非常に慎重で、一攫千金を狙うような無謀なチャレンジは行っていません。「スロットマシンをするよりも、スロットマシンを所有したい」という考えの持ち主です。過去には航空事業や外食産業などにも参入しうまくいかなかったビジネスもありますが、自身のメイン事業である不動産ビジネスに関しては極めて堅実な考えを持っています。

トランプ氏が不動産取引を行う際には、入念な準備を欠かしません。事前に詳細な計画を立てるだけでなく、常に最悪の状況を予想して取り組んだといいます。取引を成功させるための方法を、5~6パターン用意しておくのです。例えば、銀行から貸し付けを断られた時の代案を複数用意しておくなどです。トランプ氏は、起こりうるあらゆるリスクを想定して、1つ1つの取引に取り組んできたのです。

まとめ

不動産以外の分野ではいくつか失敗した事業もあったものの、現在、不動産王として揺るがぬ地位を築いているトランプ氏は、不動産投資に対する眼力と手腕に飛び抜けたものがあることは間違いありません。

立地や新築にこだわり、他人を頼りすぎず自分の目や足でリサーチを行い、もしもうまくいかなかった時のための選択肢を事前に複数準備しておく。こうしたトランプ氏の手法は、私たちにとっても不動産投資や賃貸経営を行う上で、貴重な教訓となるのではないでしょうか。 (提供: TATE-MAGA

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