英国撤退を検討中の大手企業とは対照的に、スタートアップを含む中小企業が英国進出のチャンスに燃えているようだ。
国民投票以前から英国進出を検討していたスタートアップの9割が、英国を「EUという後ろ盾を失った後でも、十分に魅力に溢れた金融大国」と見なしていることが、英プロフェッショナル・サービス会社、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の調査から明らかになっている。
これらの新事業が設立されれば、2億ポンド(約260億7416万円)の資本金が英国に流れこんで来ることになる。
激震中の英国はいまだ魅力的な金融セクター
現在英国での事業設立を進めている企業は約20社。国内を始め、欧米、アジアなどを拠点とする銀行やFinTech企業まで、実に豊富な顔揃えだ。
具体的にはデジタルバンク、FinTech関連サービス、商業銀行、過去数年間で大手が撤退したすき間市場を狙う投資会社などが、英国での事業許可を申請中。
PwCのファイナンシャル・サービス・パートナー、ステファン・モールス氏は、企業規模やジャンルを問わず様々な形態の企業が列をなしていることから、「将来的に広範囲にわたる可能性を創出する」と期待している。
これらの企業にとってBrexitで激震する英国金融市場が、ポジティブな規制環境とテクノロジー発展の可能性、そして世界有数の金融セクターとしての揺るぎない位置づけを確立した、国際金融の中心都市であるという事実は変わらない。
モールス氏の同僚であるアンドリュー・カイル氏も、事業準備を進めている企業とのパイプラインが今もなお強力であること、これらの企業をバックアップする投資家の関心も薄れていないことを確信している。