寺社の施設に泊まる「宿坊」のビジネスが広がりそうだ。不動産流動化の燦キャピタルマネージメント(以下、サンキャピタ) <2134> は4日、宿坊の開発・運営に関するアレンジメント・サービスを受託したと発表。インバウンド(訪日外国人観光客)の増加も追い風に、参入企業は今後も増える可能性が高い。
宿坊は本来僧侶が宿泊する施設だが、一般の観光客も利用できる。精進料理や座禅の体験などを目当てに外国人の人気も高い。こうした状況を背景に、社団法人・全国寺社観光協会ではより宿坊を知ってもらうためのプロジェクトを立ち上げ、新築、改修含め新たに500軒の宿坊施設を稼働させる目標を掲げた。
サンキャピタが受託したのは、全国寺社観光協会が監修し、和空プロジェクト社(大阪市)が新設する宿坊施設の流動化など。宿泊関連事業を行うためのファンドの組成を支援する。施設の施工は積水ハウス <1928> が手掛ける。同プロジェクトへの参画をきっかけに宿坊ビジネスを本格化する考えだ。
御岳山の京王などにも注目
政府が2020年までに現在の2倍に当たる訪日外国人数4000万人を目指す中で、宿泊施設不足の解消に寄与する点でも宿坊が拡大する余地は大きい。関連銘柄はほかに、旅行会社のエイチ・アイ・エス <9603> や、グループに御岳登山鉄道を持ち、民泊サービスの百戦錬磨社(仙台市)にも出資する京王電鉄 <9008> などが挙げられる。(8月5日株式新聞掲載記事)
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