(写真=プレミアムジャパン)
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秀吉も入城した、濃尾国境の城

この地は美濃(岐阜県)と尾張(愛知県)の国境の城にあたり、対岸は美濃です。天守最上階で周囲を見渡せば、濃尾国境を制した気分にもなれるでしょう。中山道と木曽街道にも通じることから、1537(天文6)年に織田信長の叔父・織田信康が犬山城を築城して以来、交易・政治・経済の要衝として栄えました。そのため、戦国時代には何度も激戦が繰り広げられました。豊臣秀吉と徳川家康・織田信雄が衝突した小牧・長久手の戦いの舞台にもなり、後に秀吉も入城しています。

2004(平成16)年まで全国唯一の個人所有だった、珍しい城でもあります。1617(元和3)年に成瀬正成が城主となってから、9代に渡り成瀬家が継承。廃城令後に県の所有となり天守以外のほとんどの建物が取り壊されましたが、濃尾大地震後に修理を条件として旧藩主の成瀬家に譲与されました。現在は財団法人犬山城白帝文庫の所有となっています。

■お問い合わせ
愛知県犬山市犬山北古券65-2
TEL: 0568-61-1711(犬山城管理事務所)

国宝犬山城
http://inuyama-castle.jp/

取材・文・写真/萩原さちこ

《プロフィール》
萩原さちこ 城郭ライター、編集者
小学2年生のとき城に魅了される。日本人の知恵、文化、伝統、美意識、歴史のすべてが詰まった日本の宝に虜になり、城めぐりがライフワークに。執筆業を中心に、テレビやラジオなどのメディア出演、イベント出演、講演、講座のほか「城フェス」実行委員長もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)、『図説・戦う城の科学』(サイエンス・アイ新書)など。共著、連載多数。公益財団法人日本城郭協会学術委員会学術委員。公式サイト http://46meg.com/ (記事提供: プレミアムジャパン )

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