Olympic
(写真=PIXTA)

夏のブラジル・リオオリンピックが終われば、2020年の東京オリンピックへのカウントダウンが始まります。競技場建設やエンブレムでの問題、都知事の辞任など、盛り上がりに水をさすような出来事が続いていますが、経済効果はどの程度期待できるのでしょうか。五輪後の落ち込みをどう防ぐのかについて考察します。

経済効果は累計で20兆円を超える可能性

五輪の経済波及効果については、直接的な経済波及効果について試算しているケースでは約3兆円(東京都)となっています。

日本銀行はレポート「2020年東京オリンピックの経済効果」で、オリンピックによる経済押し上げ効果を、2015~2018 年の実質GDP成長率を毎年+0.2~0.3%ポイント程度、2018 年時点における実質GDP(2015年で約530兆円)の水準を約1%(約5~6兆円)押し上げるとしています。

アナリストや調査機関の試算を参考にすると、競技場建設、大会運営、観戦収入など直接投資で約1兆円、訪日観光客増加による効果が7~8兆円、関連建設投資総額は10 兆円超える予想です。

訪日外国人が2020年に3,000万人超えが見込まれていることや、公表済の建設投資プロジェクトだけでも10兆円を超え、耐震化・バリアフリー、スポーツ振興、多言語対応、放送・広告、4K(8K)テレビ普及、食料品輸出、放送コンテンツ輸出などを勘案すれば、開催が決定した2013年から2020年まで累計で、20~30兆円という経済効果はありそうです。