普段、あまり表に出ることのないファイナンシャル・プランナー(FP)という職業の女性たちに、普段どんな相談を受けているのかリレー日誌形式でつづってもらう連載の第2弾。FP今関さんのもとに訪れたのは、アラサー独身の高収入OLでした。入口は不動産の購入の相談だけれど、本当の問題は別のところにあるのかも……?
人生はいつも変化し続けるものです
2016年8月某日、リオデジャネイロ五輪での日本メダルラッシュがメディアを賑わせる中、「SMAP解散」という衝撃的なニュースが入りました。1月のSMAPメンバーの謝罪会見から、こんなにも早く「解散」を決意する日がくるとは……。
人生は想定外のことが起こるものですね。そして、環境も常に変化し続けるものだな、とあらためて思った次第です。
そう、人生は何が起こるか予想できないのです。予想できない未来のことを考え始めたとき、余計な情報に惑わされるということは少なくありません。先日、「不動産を購入しようかどうしようか迷っている」と相談に来た30代の女性もそうでした。
独身、高収入OLからのご相談
大手企業に勤務する年収600万円のA子さんは、仕事にやりがいを感じています。平日は残業も多く、会社と自宅を往復する毎日ですが、休日はスポーツジムで汗を流したり、ショッピングや友人とランチを楽しんだり。
ご本人も「こんなに楽しんでいて良いのか?」とふと我に返ると不安になるくらい、充実した生活を送っているとのことです。
お金の面を見てみても、貯蓄もしっかりできていて、家計管理もしっかりされているなと感心しました。
そんなA子さんの相談は自宅の購入をするかどうかについてでした。
住まいは賃貸のままか?購入すべきか?
A子さんの住まいは家賃8万円の賃貸マンション。家賃が勿体無いので、自宅の購入を考え始めたそうです。
実際、自宅を購入した場合の毎月の住宅ローン返済をシミュレーションしてみると、今の家賃よりも月々の支払いが安くなるといいます。
金銭面では確かにおトク。ではなぜ悩むのかと言えば、友人から「自宅を購入すると結婚できなくなる」と言われたことがどうも気になっているのだとか。
「もし購入後に結婚できたとしても、家族では住むには少し手狭になるかもしれない」とか、「ずっと独身だとしても、もし転職して勤務先が自宅より遠くなった場合にどうしたらいいのか」とか、悩みは尽きないようでした。
お悩み解決の糸口は「ジンクス」の裏側に
実は、A子さんに限らず、こうした「ジンクス」を気にされる女性は多いです。
しかし、現実には不動産を購入した後に結婚した女性もいます。この話をしてあげると、「ジンクスなんてないですよね」と女性たちは安心します。
「もしかして、女性たちはジンクスを信じているというより、ジンクスの話がきっかけとなって、もともと不安に思っている気持ちにスイッチが入ってしまうのではないか」。筆者はこう考えるようになりました。
つまり、「ジンクス」を気にする裏側には、将来の生活に対する不安があるのです。
さて、そうと分かれば、解決はもう間近。A子さんに筆者がしたアドバイスとは……?(後編へ続く)
今関 倫子
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受ける。独立後は個人相談、執筆、セミナーを中心に活動。「
FP Cafe
」登録FP。
(提供: DAILY ANDS )
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