初めて銀行口座をつくったとき、銀行はどのように選びましたか?たとえば小学生のときに、お年玉を預けるために口座をつくったのなら、家の近所にある銀行だったかもしれませんね。「便利な場所にある」というのは大切な選択基準です。

でも、銀行の価値は店舗の立地だけではありません。いまやコンビニで、ほとんどの銀行のキャッシュカードを使える時代。金利、手数料、セキュリティなど銀行を選ぶポイントは様々です。

定番のメガバンクを選ぶべきか、サービスの拡大をはかっているネットバンクを活用するか。気になる金利や手数料は、無視できないほど違いがでています。それぞれの特徴とともに、見ていきましょう。

メガバンクは安心感、ネットバンクは高金利が魅力

メガバンクは全国規模のため資産も大きく、お金を預ける際の安心感があります。様々な手続きを行うときも銀行員と相談しながらできるので、資産運用やローン、保険の相談など、自分に適したお金の運用方法や基本的な知識を得られるというメリットもありますね。

一方で、ネットバンクは実際の店舗を持たず、インターネット上だけで預け入れや振込などの銀行サービスを提供しています。店舗がないため人件費などの経費を抑えられることから、メガバンクと比べて預金金利が高いというメリットがあります。

メガバンクの普通預金金利は現在0.001%。ネットバンクではその20倍となる0.02%のところもあります。金利の面で比較すると、ネットバンクを活用するメリットは大きいといえます。

ATM手数料はネットバンクのほうが安い傾向

金利のほかに気になるのは、振込や預金を引き出すときにかかる手数料ではないでしょうか。せっかく預金金利の高い口座に預けても、手数料が高くついてはトータルでマイナスになってしまいます。

メガバンクでは通常、他行やコンビニATMで入出金を行う場合や時間外の取り扱いのとき、また他行宛てに振込を行う際などに利用手数料がかかります。ですが、預金残高によってはコンビニATMの手数料が無料になるなど、口座の利用状況で手数料を優遇するメガバンクが多くなっています。

メガバンクで手数料無料となる条件は他にも、給与振込口座に指定している、住宅ローンを利用している、クレジットカード一体型キャッシュカードをつくっている場合などがあります。ただし、条件は各銀行で違いがあるので、自分の利用状況に合ったところを選ぶことが出費を抑えるポイントです。

これに比べて、ネットバンクは条件がゆるやかです。たとえば、住信SBIネット銀行は、ATM利用が月15回まで無料、ソニー銀行はセブンイレブンのATMなら入出金が何度でも無料です。振込もネットで簡単に行える便利さにくわえて、他行宛ての振込の場合でも無料、または回数制限付きで無料としているところが多くなっています。

入出金にコンビニATMを利用したりネットを活用したりする人が増えている昨今、手数料においてはネットバンクに分があるといえそうですね。


メリット・デメリットはライフスタイルによって変わる

預金金利や各種手数料にメリットがあるネットバンクですが、デメリットもあります。

ネットバンクはインターネットで取引できるので、来店する手間もありませんし、待ち時間もありません。でもそれは、銀行員と相談をしながら決められない、ということでもあります。定期預金やローンなど、本当に自分に合っているのかという判断は、自分でしなくてはなりません。

将来に向けてお金を貯めておきたいという場合はどうでしょうか?結婚資金を貯めたい、子供のために教育資金が必要になるなど、お金を増やしたいときにはもちろん金利の高いところを選びたいですよね。しかし、この場合は預金を引き出すときの手数料が高いことはデメリットにはなりません。かえって貯まりやすくなりそうです。

逆に、ネットショッピングなどで他行への振込が多い人は、振込手数料がかからない銀行を選ぶことが出費を減らす対策になります。

このように、銀行口座はライフスタイルや使い道によってメリット・デメリットが変わってくるものです。初めてつくった口座をなんとなくそのまま使っているという人は、一度、自分の生活を振り返ってみて、お金を貯めやすい口座を探してみてはいかがでしょうか?

タケイ啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)36歳の時に2人の子をつれて離婚し、大手生命保険会社に営業として就職。そ の後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを発症。現在はがんとお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP

(提供: DAILY ANDS

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