原油先物価格の急伸とそれに伴う円安を追い風に、29日は日経平均株価が一時前日比291円の大幅高を演じた。外部要因でリスクオン/オフを繰り返す東証1部市場に対し、このところ一貫して強いのが2部株だ。中・小型株への旺盛な物色意欲を踏まえ、前回7月の特集に続き2部有力銘柄を取り上げる。
外部要因で揺れる1部、中・小型株は旺盛続く
東証2部株指数は29日まで7連騰し、およそ8カ月ぶりの高値水準まで上昇した。東証1部を映すTOPIX(東証株価指数)や日経平均はもみ合いが続く一方で、為替変動の影響や海外の金融、政治リスクが及びにくい銘柄が相対的に多い2部株には、個人投資家を中心に資金の流れが向かいやすくなっている。
株式新聞では2カ月前にも2部株を取り上げた(7月27日付「東証2部割安株に活路」)。その際紹介した10銘柄のその後の値動きをみると、半分に当たる5銘柄がほぼ1割以上の株価上昇を遂げ、中でもテクノスマート <6246> は一時37%、中西製作所 <5941> は同18%の大幅高を達成した。
国策に乗るウエスコHD、三精テクノ
今回新たに「新・東証2部有力株10選」をピックアップした。前回同様、PBR(株価純資産倍率)、PERが市場平均より低く、有配、増益見込みという条件を基本線に、出来高や浮動株比率も考慮した。
総合建設コンサルのウエスコホールディングス <6091> は前7月期末の受注残の水準が高く、今後も公共インフラの調査や点検に関する業務の需要が堅調に推移する見込み。得意とする新技術の3次元計測は国策に当たる。PBRは0.3倍台の低位株だ。
材料性では、テーマパークの遊戯機械を手掛ける三精テクノロジーズ <6357> に注目したい。テーマパークの設備投資は、観光立国を掲げる自民党政権下で拡大傾向が続く見通し。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(USJ)の再上場観測も浮上するなど連想が向きやすい。
このほか、FA(ファクトリー・オートメーション=工場自動化)用ハーネスが好調な泉州電業 <9824> 、電池や自動車業界向けに超硬製金型が伸びる冨士ダイス <6167> 、円安転換のシナリオも押さえてニチリン <5184> などにも注目したい。(9月30日株式新聞掲載記事)
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