介護関連株の一角が動意づいている。13日、パラマウントベッドホールディングス <7817> が急上昇した。
12日に開かれた厚生労働省の専門家会議は、介護負担抑制の観点から浮上していた「生活援助サービス」の一部自己負担化案については「利用者の負担増につながる」として実施先送り案を提出。福祉用ベッドのリース事業も手掛けているパラベットは7月下旬、厚労省による福祉用具サービスの保険適用対象の見直し検討によってベッドの販売台数が落ち込むとの見方から株価が急落した経緯があり、今回は一転、見直し買いが広がった。
日本の急速な高齢化を背景に、要介護.要支援認定者数は増加の一途をたどっている。厚労省の調べによると、2007年度に453万人だった認定者数は10年度に506万人と500万の大台に乗せ、12年度561万人、13年度584万人、そして14年度は606万人とついに600万人台に到達。
15年に全人口の15%弱だった75歳以上の高齢者人口は20年に17%台、25年には22%程度に達するとみられており、介護マーケットは今後、着実に広がっていく。
フラベッド、「転ばなイス」絶好調
こうした状況下、12日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれている第43回「国際福祉機器展」で話題を呼んだのはフランスベッドホールディングス <7840> の展示ブースだ。
世界で初めて、車いすからの転倒を防ぐ新型車いす「転ばなイス」を5月から発売。会場ではその説明をする担当者へ熱心に質問する光景が見られた。
介護施設や病院などでは車いすのブレーキのかけ忘れやフットレスト(足置き)の上げ忘れによって転倒するケースが絶えないが、「転ばなイス」は、セーフティーフットサポート機能や自動ブレーキの作動でその事故を未然に防ぐ。発売後、予想を上回るヒット商品となっているが、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などへの本格的な普及はこれから。
10月31日引け後に発表する今3月期第2四半期累計(4?9月)決算で、発売後の好調ぶりが明らかになるだろう。13日現在、PBR(株価純資産倍率)は0.9倍台と、評価不足の水準にある。(10月14日株式新聞掲載記事)
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