昨年末の時点で「米大統領選でトランプ氏が勝利する」と予想していたら、誰もが「とんでも予想だ」と一笑に付していたに違いない。しかし、それが現実になった。6月の英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票においても、大方の事前予想と逆の結果になり株式市場が急騰落するなど、今年の世界情勢では波乱が続いた。

「トランプ・ホテル」誘致も

こうした状況の中、今年も証券各社やシンクタンクが2017年経済に対するユニークな「サプライズ予想」を打ち出し始めている。みずほ総合研究所は14日付で「とんでも予想2017年」を発表。この中では、トランプ次期米大統領に絡む予想が面白い。例えば、「アベノミクスがトランプノミクスを採用」するとして、安倍首相が大型減税を実行、さらにはインバウンド(訪日外国人観光客)観光の目玉として、カジノ場付きの超豪華5つ星「トランプ・ホテル」を誘致するというもの。また、トランプ政策による「世直し」機運で債券から株式への資金シフトが起こり、NYダウが2万3000ドル台に達する可能性があるという。

このほか、英国でEU離脱が撤回されるという予想や、北朝鮮から日中韓に大量の難民が流入するという見通しも、「もしや…」と思わせるものがある。

また、野村證券が13日付で発表した「2017年の『グレイ・スワン』リスク」は、可能性は低いが実現すればインパクトが大きいというイベントを挙げたもの。「中国が変動相場制に移行」については、確率は「極めて低い」とみているものの、実現した場合には人民元が速やかに下落し、アジアや世界の経済や金融市場に深刻な打撃が及ぶと予想。さらには、同証券でも英国のEU離脱撤回の可能性を指摘しており、ロシアが他国へ武力侵攻に出るリスクや、安倍政権の退陣、新興国の資本規制の復活などもあり得るとみている。

このほか、年初にその年の「トップ・リスク」を発表しているユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は日興アセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト神山直樹氏との対談において、今後もエネルギー価格が低水準にとどまり、米国と中東産油国の関係が悪化すると予想。トランプ氏の外交能力に対する懸念も表明している。(12月19日株式新聞掲載記事)

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