日中韓,日中,安倍首相
(写真=Prehistorik / Shutterstock.com)

ネットニュースサイト「今日頭条」に「中国に詫びを入れに訪問した韓国議員団を嘲笑する安倍」と題する記事が掲載された。

日本がらみになると、中国人はいつにない創造力を発揮する。確かに読んでみたくなる見出しである。中国の日韓に対する本音を探る参考となりそうだ。

韓国議員団の空手形

1月5日は旧暦12月8日の“ろう八節”に当たる。民間伝承では釈迦牟尼が悟りを開いた日である。中国の風習では五穀豊穣を祝いお粥を食べ、春節の準備入に入る。しかしこの日の韓国野党議員団は、お粥をゆっくり味わうような心情ではなかっただろう。それは中国ではなく朴槿恵政府のせいである。

韓国野党・共に民主党7名の議員はひどいスモッグも顧みず、3日間の北京訪問の旅を開始した。これらの客人たちは“中韓国交25周年”の旗の下、駐韓国大使とは異なる高水準の接待を受けた。

そしてベテランの宋議員は得意の中国語を駆使し、韓国議員団の要望を説明した。その要望とは、「訪韓観光客に対する制限を緩和」「春節期の臨時航空便増発交渉の妥結」「いわゆる韓流コンテンツ制限の緩和」「韓国産品に対する税関検査の緩和」--である。

そのかわり、もし民主党が次期大統領選に勝利すれば、迎撃ミサイルシステムTHAAD配備の再検討を保証すると表明した。在野の共に民主党が敢えて訪中したのは、同党の大統領候補・文在寅(ムンジェイン)の支持率が、潘基文前国連事務総長を上回り、トップに立っているからだ。韓国方の考えは簡単で、空手形を発行してでも当面の焦眉の急を解決しようとしているのだ。

冷却化する投資

韓国は“限韓令”にあっても940万人もの中国人観光客訪れている。そして2020年には訪韓中国人旅客1500万人、観光収入500億ドルを目指している。韓国はこの達成には自信を持っている。

しかしそれより韓国経済に影響大なのは投資である。韓国金融部門は1月4日、中国の投資家が2016年1月~11月までの間、韓国株式市場において1兆5000億ウォン(86億人民元=1400億円)売越し、これは前年の10倍となったと発表した。同時に韓国の投資は中国からベトナムなど東南アジア諸国へシフトし、双方の経済特に投資関係は冷却へ向かっている。

なによりTHAADは“大国”の安全と核心利益にとって脅威である。その点に思い至らなければ各種問題の解決は困難で、交渉も一種の虚偽でしかない。

安倍政権はアクセント

記事は続いて安倍政権に触れる。日本は在日米軍のことを心配していない。日本は在日米軍の経費65億ドルを負担している。もし在日米軍が他に引っ越そうにも、このような“忠犬”は見つからないと考えている。また在日米軍は海軍と海兵隊が主体であるのに対し、駐韓米軍は陸軍主体である。

確かに在韓米軍は3万人のうち2万人は陸軍である。また9000人は空軍でF-16戦闘機、F-17輸送機等で戦略攻撃能力を有している。これらはアジア最大の“大国”に海を隔てて突き付けられた鋭いナイフである。つまり韓国とは米国の一隻の空母名である。そして韓国人はTHAAD配備に向けたスケジュールを停止しなければならない。と結ばれている。

大国意識むき出しという点ではむしろ官製メディアより遠慮がない。限韓令を敷くほうにも、空手形を切るほうにもびっくりである。

しかしタイトルのように安倍首相が韓国を嘲笑している場面の記述はない。単に記事のキャッチコピーとして使われただけである。日本はしばしばこの種の役回りで登場する。対米国記事では直接非難できない場合のうさばらしとして、対韓国記事にはこのように味付けとして。

直接日本を非難するネタは不足気味で、物足りないのだろうか。それともすべての周辺国と対立するのはまずいと多少はブレーキを利かせているのか。何にせよ大国幻想はふくらむばかりである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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