トランプ,国境税調整案,米国,貿易
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1月9日、ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行チームとポール・ライアン米下院議長間で、2時間半におよぶ法人税制改正に関する議論が行われたことから、今後米国だけではなく、世界経済に大きな影響を与える法案のひとつとして注目を集めている「国境税調整案」が、いよいよ導入準備段階にはいったとの見方が強まっている。

新法案の成立に関しては、輸入コスト増加を懸念する業界団体と新政権の間で摩擦が生じている。

ドル25%上昇?業界団体は思惑どおりの効果に疑念

ロイターの報道によると、この会議では国内の一部業者から批判の声が上がっている「国境税調整案」についても意見が交わされたことが、チーフストラテジスト兼上級顧問、スティーブン・バノン氏の発言から判明。法案成立がつめにはいったという印象をうける。
国境税調整案とは国内品に相当する間接税を輸入品に課すことで、自国の輸出品の間接税を補う制度を指す。提案下にある法案では、米国内における生産・販売で得た利益に最低20%が課税されるほか輸入品にも課税するのに対し、輸出品への課税は免除される。つまり輸出業者にとっては利益となるが、輸入業者にとっては打撃となる。

当然ながら輸入業者間では急激な物価上昇の原因になるとの懸念が高まっており、昨年12月には国内の業界団体から下院歳入委員会に嘆願書が提出された。これらの団体は国境税調整に依存しない税制改革を打ちだすことが、力強い経済成長の基盤づくりにつながると主張している。

これに対して一部のエコノミストは国境税調整案を支持。20%から25%のドル上昇が期待できることから、結果的には小売コストの減少を見こんでいると米CNBCは報じている。

しかしこうした思惑が誤算に終わりかねないとの懸念をいだく企業も多い。また米国と貿易取引をしている国が輸出増進の目的で輸出奨励金制度を導入していることから、国境税調整案が米国の貿易競争力を低下させるとの意見もでており、果たして新政権が「素晴らしい米国」を取り戻せるのか否か、今後の展開から目が離せない状況だ。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)