大学,学資ローン,米国
(写真=Thinkstock/Getty Images)

アンドリュー・クオモ・ニューヨーク州知事は1月中旬、ニューヨーク市における大学費用免除制度の対象を現在の低所得層から中所得層(12万5000ドル/約1431万円以下)に拡大するキャンペーンを立ちあげた。

実現すれば何百万という世帯の若者が無料で大学進学可能になり、米国で社会問題化している学資ローン負債の軽減にも大いに貢献することになる。

膨張する学資ローン、若者の大学離れの軽減策

英BBCの報道によると、この案はもともとヒラリー・クリントン氏が政策のひとつにかかげていたもので、同じく大学費用無料化の支持者であるバーニー・サンダース上院議員がキャンペーンに協力している。

7割の職業が大卒生を必要としている現在の米国で、大学費用が労働市場を隔てる壁になりかねない現状は懸念の的だ。かつての「高卒は当たり前」という風潮が、現在は「大卒は当たり前」に移行した近年、安定した経済基盤を築く上で大学進学は必要不可欠な人生のプロセスとして受けとめられている。

しかし米国では大学費用の急激な値上げにともない、学資ローン負債総額が1兆4200億ドル(約162兆5616億円)を記録。1990年と比較すると学費は2倍にも跳ねあがっているにも関わらず、大卒生の低所得層は増加傾向にあり、返済滞納に陥る大卒生の割合が4割まで膨張していると米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

また学資ローン返済のためにクレジットカードで借入をする成人も増えており、カード負債総額は13兆ドル(約1488兆2400億円)を突破。働きざかりの若い層だけではなく、60歳以上の高齢返済者も過去10年間で2.5割上昇した。若者の大学離れが加速するのも無理はない。

国の経済を深刻に圧迫し始めた学資ローン問題の軽減策として、ニューヨーク市の決断は重要なカギをにぎっている。サンダース上院議員は若者に大学教育を受けるよう推奨する一方で、多額の学資ローンを押しつける行為は「正気の沙汰ではない」と批判。ニューヨークで学費無料化が承認されれば、同様の動きが全米に拡大していく可能性が高くなる。

BBCは「大学費用は誰が負担すべきか」という新たな議論が、国際規模で浮上する可能性を指摘している。これに関しては1月20日に退任したバイデン前米副大統領が今年のダボス会議で演説を行った際、富裕層に大学費用の負担を呼びかけるなど、可能性としての手段が今後検討されていくものと思われる。(ZUU online 編集部)

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