国内で東京五輪開催に向けた急ピッチのインフラ整備が進む中、セキュリティー対策として防犯カメラのニーズが高まっている。関連企業に商機が広がる。

14日には、東京メトロが全車両にカメラを設置する方針を発表。全車両のドア上部に取り付け、社内の犯罪行為・迷惑行為やテロなどの防止を推進する。都営地下鉄も防犯カメラの設置を決めており、合わせて約3800両の車両にカメラが整備される。

これまで、駅のホームでは防犯カメラの設置が進んでいたが、車両内のカメラの導入例は少なかった。今後はJR各社や私鉄、バスといった交通機関をはじめ、コンサートホールや遊園地などの公共施設を含め、多くの場所で同様の動きが加速する可能性が高い。矢野経済研究所では、ネットワークカメラの国内出荷台数が2016年の89万台から20年には260万台に拡大し、4年で3倍近くに増加する見通しとしている。

防犯カメラの関連株としては、セキュリティー事業に強いあいホールディングス <3076> や、防犯カメラを手掛ける兼松サステック <7961> が挙げられる。兼松サステクは1月30日に今3月期の利益予想を増額、期末一括配当も従来予想の2.5円から4円(前期2.5円)に引き上げており、株価は押し目買いの好機にある。

また、音響機器で知られるTOA <6809> もセキュリティー分野に注力しているほか、セコニックホールディングス <7758> やテクノホライゾン・ホールディングス <6629> も監視カメラを展開。オプテックスグループ <6914> は防犯センサーで知られるほか、同社子会社のシーシーエス <6669> では画像処理を手掛けている。

このほか、非常通報装置やホームセキュリティーシステムに取り組むサクサホールディングス <6675> 、画像処理でザインエレクトロニクス <6769> やモルフォ <3653> 、電子ルームミラーを手掛ける村上開明堂 <7292> なども物色候補となりそうだ。(3月16日株式新聞掲載記事)

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