世界最大の英保険組織ロイズ・オブ・ロンドンは3月30日、ベルギーの首都ブリュッセルに現地法人を設立すると発表した。

同日英国が欧州連合(EU)に正式な離脱通知を行った動きをうけての決断だ。EU圏内に拠点を置くことで、EU圏内での事業継続の円滑化を図る。ロイズのような巨大な影響力をもつ企業が新たな拠点をブリュッセルに設けることで、他社がそれに追随する可能性がある。

ダブリンも企業誘致に本腰 事業者団体が政府に誘致戦略の見直し要請

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

現在は欧州の金融中心地、ロンドンに拠点を構えるロイズだが、ほかの多くの在英企業同様、英EU離脱後はEU圏内での事業継続が困難になる可能性が高い。

インガ・ビールCEOは自社ウェブサイトで、「英EU離脱にともない、業務が滞りなく継続されることが重要」とし、ブリュッセルが確固たる規制の枠組みを提供するための重要な要素を備えた、欧州の中心都市である点を挙げた。

離脱交渉の期間は2年間と設定されているため、2019年1月の営業開始を目途にブリュッセルでの本部設置プロセスを進める。現地では特に情報テクノロジーやコンプライアンス分野で人材を確保する予定だ。

ロイターの取材に応じたジョン・ネルソン会長の発言から、今回の動きが「移動」ではなく新開地開拓の要素を含んでいるとうかがえる。多くの在英銀行がEU圏内への拠点・人員移動を検討しているのに対し、英国とEU圏内に事業を分散させることで、新たな機会創出につなげるという発想だ。ロイズは昨年6月の英EU離脱決定以降、適切な解決法の探索を優先課題にしていたという。

ソシエテ・ジェネラル証券国際保険事業開発部門の責任者、サージ・パネサー氏は、今後同様の動きが保険企業間で加速すると見ている。

アイルランドの首都、ダブリンを最有力移転候補地として検討している保険企業も多いが、法人税の優遇制度などで「企業天国」として知られるブリュッセルには差をつけられている。アイルランド事業者団体は政府に、企業誘致戦略を見直すよう要請している。(ZUU online 編集部)

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