環太平洋連携協定(TPP)について、米国を除き11カ国で発効を目指して協議が進められる見通しだ。菅官房長官が4月20日午前の記者会見で確認した。訪米中の麻生副首相・財務相も同じころ、同様の見解を明らかにした。日本政府は、離脱した米国に翻意してもらうことを諦め、大きく方針転換することになる。

日本政府は米国抜きでTPP発効目指す

TPP,トランプ
(写真=PIXTA)

菅官房長は記者会見で、米国抜きでTPP発効を目指すことを巡って、「あらゆる選択肢を排除せず、何がベストか主導的に議論を進めていく」と語った。同長官はさらに、「(TPPは)時間を重ねて合意にこぎ着けた。高いレベルのルールを実現するため、各国と議論するのは当然だ」と述べた。

一方、麻生副首相はニューヨークで、「TPPを11カ国でやろうという話は、5月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に出る」と明言した。同氏はまた、「米国に譲歩する代わりに、ほかの国から得ることでバランスがとれる」とも言い切った。

訪日中だったペンス米副大統領は18日、日米経済対話の初会合で、「(TPPは)過去のものだ」と発言して、二国間協議を進める立場を改めて鮮明にした。

最後通告はペンス副大統領の「TPPは過去のもの」