サイバーエージェント <4751> が4月27日に2017年9月期第2四半期決算を発表した。売上高は前年同期比21%増の1799億円、営業利益は同41%減の143億円、経常利益は同44%減の133億円、純利益は同76%減の26億円となった。「AbemaTV」への投資が大きな減益要因となるが、同社は将来を見据えた先行投資だと割り切る。

ゲームやインターネット広告の既存事業は堅調

サイバーエージェント,AbemaTV
(画像=Webサイトより)

一見すると非常に悪い決算内容であるが、同社は不敵な笑みを浮かべている。インターネットテレビ事業「AbemaTV」を中長期の柱と位置付け、現在は投資の時期だと説明している。

「AbemaTV」を含めたメディア事業の売上高は前年同期比11%増の123億円となった。売上高で見れば全体の1割にも満たない事業であるが、営業利益は同赤字転落となり、実に97億円もの損失を計上した。「AbemaTV」等の先行投資で108億円の損失となっている。

しかし「AbemaTV」の影響を除けば、決算内容は悪くない。売上高は四半期ベースで過去最高となり、参考記録ながら、既存事業の営業利益も四半期ベースでの過去最高を記録している。

ゲーム事業の売上高は前年同期比23%増の705億円と好調だ。Cygamesの運営する「グランブルーファンタジー」等の既存タイトルの堅調な推移だけでなく、3月に配信したCraft Eggの運営する「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」等の新規タイトルもヒットした。インターネット広告事業もWebサイトやアプリのタイムラインに掲載されるインフィード広告や動画広告が好調で、売上高が前年同期比20%増、営業利益では同26%増となっている。

同社は2017年9月期の連結業績予想について、売上高は前期比16%増の3600億円、営業利益は同24%減の280億円、経常利益は同25%減の267億円、純利益は同27%減の100億円としている。大幅減益に目を奪われるが、予想に対する業績の進捗は悪くない。

市場は「AbemaTV」への先行投資に理解を示す

同社の今後は巨額投資を続ける「AbemaTV」が握っており、社運を懸けて育成に励んでいる。「AbemaTV」をマスメディアにする事を目標に、現在は番組制作費や広告宣伝費に多額の投資を行っている。アプリのダウンロード数は1600万を超え、順調に伸びており、予定されている追加機能やコンテンツの拡充も進んでいる。2017年9月期に同事業で200億円の損失を見込む中、折り返し地点での損失額は想定の範囲内と言える。今回の決算ではこうした計画通りの進捗が確認された格好となる。

「AbemaTV」の目標は広告で稼ぐビジネスモデルであるが、その為には視聴者の規模が重要となる。1週間当たりの視聴者数を表すWAUは411万人となっており、黒字化の目安とされる1000万人にはまだ遠い。同社は黒字化の目標時期を示していないが、4月で1周年を迎えた「AbemaTV」の独り立ちにはまだ時間が掛かると見られる。

決算発表を受けた28日の株価は4.37%高となる3460円まで買われている。既存事業の好調や「AbemaTV」のアプリダウンロード数の順調な推移が好感された。年初からの株価も13%上昇しており、先行投資による減益は織り込み済みである。

市場は「AbemaTV」への投資に一定の理解を示しているが、将来安泰とはいかない。米アマゾン・ドット・コムの「Amazonプライム」や米ネットフリックスの「Netflix」等の定額動画配信サービスも盛り上がる中、視聴者の奪い合いも熾烈になる可能性が高い。既存事業が稼ぎ出す営業利益の半分近くを投じる「AbemaTV」に撤退は許されない。我慢が実を結ぶ時が待たれる。(ZUU online編集部)

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