日ごろ何気なく使っているティッシュペーパーやトイレットペーパー、爪楊枝といった日用雑貨に、このところ信じられないような高級品が登場しているという。
ネット通販の普及などで、ターゲットを絞ったきめ細かなマーケティング戦術が比較的安価に展開できるようになったことも、こうした現象を下支えしているのだろう。ここでは高級化する日用雑貨の5つの実例から、その片鱗を垣間見ることにしたい。
贈答品に人気「高級ティッシュ」 1箱1万円も!
日本のティッシュペーパーは、世界的に見ても品質が高い割には安価なことに定評がある、日用雑貨の代表格だ。実際スーパーの店頭には、5箱を束ねたティッシュが目玉商品として、300円以下程度の値段で並べられている。けれどもこのティッシュの世界に、密かに高級品が浸透しつつあるのだという。
大昭和紙工産業がネット通販のみで販売している「十二単(じゅうにひとえ)」の値段は、なんと1箱税込み1万円(税込)。1箱には2枚1組のティッシュ288枚が収められているので、1組の値段は約70円ということになる。
かつて十二単に用いられたという「蘇芳(すおう)」「常磐緑(ときわみどり)」「わすれな草」などといった、雅やかな色彩のティッシュは、特別な厚紙製の箱に収められ、風呂敷に包まれて販売される。2014年の販売開始以来、SNSなどで話題となり、贈答用を中心に月80箱前後が売れているという。