調査会社のニールセン・コリアが2017年6月14日に発表した調査結果によると、韓国のミネラルウオーター市場が4年で1.5倍に成長しているという。
韓国のミネラルウオーター市場は、2010年まで年3000億ウォン(約290億円)台だったが、2012年には5016億ウォンに拡大し、2014年は6040億ウォン、2016年には7403億ウォンと拡大を続けている。2017年の1~4月の売上も2177億ウォンと前年同期比で11.4%増加している。
衛生面への懸念
韓国では水道水をそのまま飲む習慣はない。多くのオフィスや一般の店舗には飲用可能な水道設備がなく、ミネラルウオーターの配達サービスが普及している。専用の冷温水器で使用する約13リットルや18.9リットルのミネラルウオーターは1本あたり配達料込み数千ウォン程度で、複数本まとめて購入するケースが多い。冷温水器での利用を想定したインスタントコーヒーやティーパックが普及しており、常備しているオフィスや店舗も少なくない。粉末のコーヒーとクリーム、砂糖が一つになったスティック状の「ミックスコーヒー」はオフィスコーヒーの代名詞になっている。
一般家庭は整水器が普及している。冷水と温水を利用できる家庭用整水器は、複数年契約のレンタルが一般的で、レンタル期間満了後は新たな機種に変えるか買取りも可能だ。レンタル期間中は定期的なメンテナンスサービスがある。
ソウルなどの都市部に多い共同住宅は、水道水を屋上などに汲み上げて各戸に分配する仕組みだが、その水道設備の衛生面への懸念が大きい。山が少ない韓国は河川の取水口から居住地への距離が長く、水道管の衛生管理への懸念を持つ人が多いのもミネラルウオーターや整水器の普及につながっているのだろう。