家電量販店での楽しみの一つに「値引き交渉」があります。
店員さんとやり取りしながら値切るのは、たとえ大した金額でなくても楽しいものです。「最近の若い人は値切らなくなりましたね」と店員さんが言ってましたが、もったいないですね。どんどん値切らないと損ですよ。

ところで、どんなに頑張っても値切るのが難しい家電製品があります。そう、Appleの製品です。家電製品の多くは店頭で値引きに応じているのに、MacBook AirやiPadなどのApple製品はどこに行っても「ほぼ同じ価格」です。

そもそも、商品の価格表示というのは、どうなっているのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。

価格表示の「意味」を理解しよう

店頭等で販売される商品の「価格表示」は様々です。
主な「価格表示」は以下の4つとなります。

  1. 定価
  2. 希望小売価格
  3. オープン価格
  4. 参考小売価格

「価格表示」は、消費者に向けての重要なメッセージです。順番に解説しましょう。

(画像=ZUU online)

「定価」とは読んで字のごとく、定められた価格で値引きなどは出来ません。たとえば、新刊書籍や新聞は東京で買っても沖縄で買っても「同じ値段」です。値引きも一切ありません。全国同一価格で販売されています。これらの商品は「文化の振興上必要」と認められており、独占禁止法の例外として認められています。これを「再販制度(再販売価格維持制度)」と言います。

「希望小売価格」はメーカーが小売店に対して「この価格で販売してほしい」という文字通り(メーカーが)希望する価格です。定価はメーカー(出版社や新聞社)の拘束力があり、小売店はそれに従わなければならないのですが、希望小売価格には拘束力がありません。いくらで販売するかは小売店の判断になります。

「オープン価格」はメーカーが出荷価格だけを決めて、販売価格については、小売店が自由に決めるものです。

「参考小売価格」はメーカーなどが、公式サイト以外で発表している価格です。小売店での販売価格を設定するための「参考に公表」している場合があるほか、セット販売や送料を含んだ価格、追加料金を含んだ価格、あるいは並行輸入品、逆輸入品などの価格でも見られることがあります。ネット通販等で「参考小売価格」に対して実際の販売価格が割安で、お得に感じられることもありますね。

ちなみに、昔はほとんどの商品が「希望小売価格」でした。しかし、1980年代に家電業界などの値下げ競争が激しさを増し「希望小売価格の50%OFF」などが当たり前のようになると、両者のかけ離れた「二重価格表示」が問題になりました。そこで公正取引委員会は「製品の価格を市場価格に近づける努力をするように」との通達を出したのです。そうした経緯の中で「オープン価格」が急速に広がりました。

その他、寿司屋などでは「時価」もあります。
これは注文するときに、なかなか勇気がいるものです。

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Apple製品はどこで買っても「ほぼ同じ価格」

(画像=BGStock72/AdobeStock)

ところで、Apple製品は家電量販店やAppleストアなど、どこに行っても「ほぼ同じ価格」ですね。Apple製品は「希望小売価格」なのにまるで定価のように同じです。

Appleと小売店がどのように取引しているのかはさておき、小売店としては利幅が低く「値引き」に応じるのが難しいのかも知れません。ただ、たとえ利幅が低くてもApple製品を扱うことでお店のステータスを高め、良く売れるという利点もあるのでしょうね。

もちろん、希望小売価格ですので、それより高い金額で販売することも可能でしょう。しかし、いまやネット上でも希望小売価格で販売されているので、わざわざ高い価格で買う人はいませんよね。

私はこの方法でApple製品を安く購入した

ところで、Appleの製品を安く買う方法は本当にないのでしょうか。実はあるのです。私は実際にこの方法でMacBook Airを安く購入しました。

Apple製品には学生・教職員価格がありますが、それ以外の方法として、Appleの公式サイトに「整備済製品」という項目があります。

「整備済製品」は新品ではありません。技術的な問題などで返品された製品も含まれていますが、メーカーがきちんと整備したうえで販売されています。もちろん、価格はかなり安いですし、1年間のメーカー保証もついています。つまり、新品とほぼ同じ扱いです。メーカーが整備しているのなら安心ですね。

私はMacBook Air以外にハードディスクも「整備済製品」で購入しましたが、どちらも全く問題なく快適に動いています。安売りをしないApple製品なので利用する価値はあるのではないでしょうか。

インク・トナーなどの消耗品を安く買うには

Appleのほかにも、メーカーの公式サイトを見ていると「アウトレット製品」などのコーナーがあり、意外と安く購入できる場合があります。

たとえば、私が定期的にチェックしているWebサイトにエプソンの「アウトレット品」のコーナーがあります。このサイトでは、特にプリンターのインク・トナーがないか注目しています。

プリンターのインクというのは消耗品ですから、いつも用意しておきたいものです。純正品のインクは結構高くかつ、値引き幅が少なくて困るのですが、このアウトレット品は、他のネットなどの小売店・量販店よりも安く買うことができることがままあります。

今回は、商品の「価格表示」の意味について解説しながら、Apple製品を安く購入する方法等についても紹介しました。価格の意味をきちんと理解し、ワンランク上の賢い消費者になりたいものです。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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Q


価格表示の「意味」とは?

店頭等で販売される商品の「価格表示」は様々です。主な「価格表示」は以下の4つとなります。
(1)定価:定められた価格(値引きなど不可)
(2)希望小売価格:メーカーが希望する価格
(3)オープン価格:メーカーが出荷価格だけを決めて、販売価格については、小売店が自由に決める価格
(4)参考小売価格:メーカーなどが、公式サイト以外で発表している価格

店頭等で販売される商品の「価格表示」は様々です。主な「価格表示」は以下の4つとなります。
(1)定価:定められた価格(値引きなど不可)
(2)希望小売価格:メーカーが希望する価格
(3)オープン価格:メーカーが出荷価格だけを決めて、販売価格については、小売店が自由に決める価格
(4)参考小売価格:メーカーなどが、公式サイト以外で発表している価格


Q


Apple製品を安く購入する方法とは?

「整備済製品」を購入することで安く購入可能です。「整備済製品」は新品ではありません。技術的な問題などで返品された製品も含まれていますが、メーカーがきちんと整備したうえで販売されています。

「整備済製品」を購入することで安く購入可能です。「整備済製品」は新品ではありません。技術的な問題などで返品された製品も含まれていますが、メーカーがきちんと整備したうえで販売されています。


Q


インク・トナーなどの消耗品を安く買うには?

メーカー公式サイトの「アウトレット製品」などのコーナーに注目!このアウトレット品は、他のネットなどの小売店・量販店よりも安く買うことができることがあります。

メーカー公式サイトの「アウトレット製品」などのコーナーに注目!このアウトレット品は、他のネットなどの小売店・量販店よりも安く買うことができることがあります。


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