ふるさと納税の返礼品競争にくぎを刺す総務省の通達が4月に出て3カ月余り。今も地方自治体に波紋が広がっている。2016年度の寄付総額は全国で2844億円に達し、4年連続で過去最高を更新したが、2017年度は通達後に返礼品の見直しが進んだこともあり、前年同期の3分の1まで寄付申込額が落ち込んだところも出ている。

返礼品の見直しを求める通達に抵抗の構えを崩さない自治体も見られ、混乱収束にはもうしばらく時間がかかりそうだ。

2016年度の全国受入額は過去最高の2844億円

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(写真=PIXTA)

総務省の通達は高市早苗総務相名で、全国の自治体に4月1日付で送付された。返礼品の調達価格を寄付額の3割以下に抑えるとともに、パソコン、家電製品、家具、宝飾品など資産性の高いものや、プリペイドカード、商品券など換金性の高いものを返礼品にしないよう求める内容。

寄付獲得競争の過熱から一部自治体の返礼品に高額品がずらりと並び、まるでネットショップのような状態が続いていた。これを改め、自治体への寄付という本来の姿に戻そうとしたものだ。

2016年度のふるさと納税受入件数は全国で1271万件。前年度の726万件から1.8倍に増え、過去最高を更新した。受入額も2844億円で、前年度の1653億円から1.7倍の伸びを示している。

確定申告なしでふるさと納税の寄付金控除を受けられるワンストップ特例制度の導入や、お得感を売りにした高額返礼品の充実が利用者を増やしたとみられている。このため、ふるさと納税で減収となる大都市圏の自治体などから、制度のひずみを問題視する声が上がっていた。

見直しで都城市の寄付申込額は前年同期の3分の1に