ロンドンが最新の「世界金融センター指数」 でも首位を死守――。英国のシンクタンクZenが中国開発機構(CDI)と共同で実施した調査で、全主要評価項目で1位となったロンドンを含め、トップ5の順位(2位ニューヨーク、3位香港、4位シンガポール、5位東京)は昨年から変動なしだった。

しかしEU離脱決定の1年前から集計したデータなども評価基準としているため、「Brexitが決まってなおロンドンは影響力を保持しつづけている」とはいい難いだろう。

フランクフルトやダブリンなどほかの主要都市へ金融都市としての機能の分散は避けられないだろう。

事業環境の競争力では「Brexitによる不透明性」が最大の懸念

世界銀行やOECD(経済協力開発機構)などのデータに基づいて、世界92都市の金融セクターとしての力量を測定している。主要評価項目となるのは、事業環境・人的資本・インフラ・金融セクター開発・評判だ。

トップ5の順位は変わらなかったものの、ロンドンと香港、シンガポールのスコアは、過去数年徐々に下がっている 。

ニューヨークのスコアが24ポイント減、Brexitの影響が懸念されるロンドンのスコアはわずか2ポイント減だったが、前述の要素もあり、「ロンドンの金融都市としての強さ」を評価する声も聞こえる。

政府内部でも方向性が割れる「今後の英国」