「トミカ」や「リカちゃん」で知られるタカラトミー <7867> の株価が好調だ。最近では同社の人気商品「ベイブレードバースト」の新シリーズが、日本玩具協会主催の2017年のおもちゃ大賞を受賞したことが話題になった。

卵から育てる新感覚人形「うまれて!ウーモ」が人気YouTuberに紹介されて話題になるなど、同社商品の情報がインターネット上でシェアされることも多くなっているように見受けられる。おもちゃを扱う企業が多く存在する中で、定番商品・新商品を戦略的に売り込む同社の魅力を考察してみたい。

年間業績推移では上昇トレンドを維持

ウーモ,タカラトミー
(画像=Webサイトより)

8月8日に第1四半期決算を発表済みだ。

同四半期は4月から6月までの業績を指すが、この期間の業績が好調でだとスタートダッシュがかかっているということになる。同社は前年度比で好調を維持している。

数字でみると前年度の平成29年度3月期の第1四半期の純利益が10億3300万円の赤字だったのに対して、今年度の30年3月期は純利益が12億1800万円の黒字となり、明らかに業績が好転していることを示している。

同社のようなおもちゃ関連株は、クリスマスやお正月など子供向けのイベント控えている年後半が強いといわれているにもかかわらず、第1四半期においてすでに大幅な増収増益を遂げていることがわかる(すでに1度、通期の純利益予想は上方修正されている)。

ちなみに前年度は年間を通して純利益が53億7200万円だったが、今年度は通期純利益が55億円と予想している。第1四半期の業績から鑑みると、通期会社予想はだいぶ保守的だと言えそうだ。

業績好調の理由 国内とアジア市場が強い!

第一四半期の売上高の伸び率を前年度比で地域別に見ると、好調なのは国内とアジア市場だ。

日本:49億5800万円増(18%増)
アジア:28億1400万円増(26.1%増)
オセアニア:300万円増(0.8%増)
米国:6億8500万円減(12.4%減)
欧州:4億5100万円減(27.4%減)

国内においては「ベイブレードバースト」が1000万個を突破するなど大人気で、ロングセラー商品のリカちゃんやトミカ関連商品の売れ行きも好調。2016年秋に発売された「うまれて!ウーモ」が、依然人気を継続している模様だ。

一方、海外はアジア市場が圧倒的に強い。韓国、香港、台湾などでポケットモンスター人気に加えて、アニメ化されているベイブレードバーストの関連商品の売り上げが絶好調を維持している。

大人向けの懐古系おもちゃも展開

また子供向けのおもちゃが業績を牽引する中で、ひっそりと過去の人気商品の販売もおこなわれている。

価格が1万円を超えるプラモデル「ZOIDS(ゾイド)」やサンダーバードなど、今の30代以上の大人の男性が少年の頃に親しんだおもちゃの販売が例として挙げられる。

今は親となったかつての少年たちが、自分の子供たちと思い出をシェアすることも多くなっているのではないか。というのも、最近では30代から40代が親しんだアニメやおもちゃなどのリメークが頻繁に見られているからだ。男性ならばドラゴンボール、女性ならばセーラームーンなど。

ターゲットを子供のみに絞らないことも、おもちゃ販売におけるマーケティングにおいては重要だと思われる。

ツイッター、YouTuber……SNSで話題になる企業

また同社は、ツイッターによる情報発信を積極的に行っている。このツイッターでは同社の新商品はもちろんのこと、楽しいイベントなどのお知らせもあり、情報をリアルタイムで受け取ることができる。フォロワー数が13万人を超えるなど、人気のアカウントとなっているようだ。

おもちゃは若年層が欲するということもあり、ツイッターやYouTubeなどを利用した宣伝は少なからず効果があるにちがいない。

思わぬ上方修正も 同社の企業マーケティングに期待

ここまで同社の最新の業績動向や、話題となった一連の業務展開について見てきた。

第1四半期は好調だが、通期予想が保守的なため今後の動き次第では企業側による上方修正の可能性もありそうだ。

子供をターゲット市場にするおもちゃの場合には、いかに今時の方法でアプローチするのかが重要となる。今後のSNSを含めた同社の企業マーケティングにも注目したい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

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