先週の日本株は5週連続高となり、日経平均は週間で464円47銭(2.2%)高の2万1155円18銭で引けた。96年11月27日以来約21年ぶりの高値更新でアベノミクス以降の最高値をつけた。

IMFが世界の成長率を上方修正、世界の全地域で景気は堅調だ。好景気を背景とした世界的なリスクオンによる株高が進行、NYダウ、ドイツDAX、イギリスFTSEなどが過去最高値を更新した。韓国KOSPIも週間で3.3%上げており、北朝鮮の地政学リスクが落ち着き始めたことも好感している。日本でも、法人企業統計では日本企業の4~6月期の経常利益は過去最高を更新しており、先週発表された9月の機械受注も上振れた。機械受注は、民間設備投資の先行指標だと言われる。

与党自民党の支持率が回復しているとのメディアによる調査結果も投資家心理を好転させた。

PERや過去の水準から見た日本株の割安感は強く、円安による業績の拡大も期待感も高く、海外投資家の日本株の買いが日経平均の上昇を牽引した。13日に東証が発表した10月1週(10/2〜6)の投資家別売買動向で、海外投資家は現物を6575億円買い越した。2週連続の買い越しで週間の買い越し額は今年最高。

先物も4573億円買い越しており、現物先物合計で1兆1148億円の買い越しだった。先週も海外投資家の大規模な買い越しは継続している模様だ。年金や投信など国内機関投資家の売買が反映される信託銀行も4週間ぶりに買い越しになった。下期入りで一部の国内投資家も買いに転じた可能性がある。

前週(10/10~10/13)を振り返り

株式展望
(写真=PIXTA)

10日の日経平均は6日続伸、前々週末比132円80銭(0.6%)高の2万0823円51銭で引け、連日の年初来高値更新。

週末のメディアの調査で自民党が優位で支持率を回復しているとの報道があり、選挙後の景気対策などに対する期待感が拡がった。

11日の日経平均は7日続伸、前日比57円76銭(0.3%)高の2万0881円27銭で引けた。15年6月の引け値での高値を上回り、アベノミクス後の高値を更新した。

マクロ指標の好転を好感した買いが入った。IMFによる17年の世界経済成長率は3.6%から3.7%へ、日本経済の成長率は1.3%から1.5%へ上方修正された。機械受注の9月は3.4%増と13カ月ぶりの高水準に達し、コンセンサスの0.8%増を大きく上回った。

12日の日経平均は8日続伸、前日比73円45銭(0.4%)高の2万0954円72銭で引けた。連日の年初来高値更新。15年6月のザラ場での高値の2万0952円を抜いた。

米国市場が主要3指数全て過去最高値を更新し、日本株も買いが継続。翌日に10月限のオプションとミニ日経平均先物10月物のSQを控え、2万1000円のオプション行使価格を意識した買い戻しも入ったようだ。

13日の日経平均は9日続伸、前日比200円46銭(1.0%)高の2万1155円18銭で商いを終えた。

年初来高値を連日で更新、96年11月27日以来約21年ぶりの高値となった。SQ後も堅調な展開で、午後から欧州勢と思われる買いで一段高となった。9連騰は16年12月6〜16日の9連騰以来。

先週の海外動向を振り返る

13日のNYダウは30ドル高の2万2871ドルで引けた。一時2万2900ドル乗せで最高値を更新していたが、引けにかけて上げ幅を縮小した。週間では98ドル高で5週連続の上昇だった。

朝方発表の米9月の消費者物価指数が0.5%増と予想の0.6%を下回ったことで、米利上げペースが鈍るとの見方からドル安となった。ドル円は一時111円69銭と9月26日以来の円高水準を付け、NY市場での引けは111円90銭だった。東京為替市場13日17時の引け値からは11銭の円高だった。

もっとも、今の日本株は多少の円高では下げない。日経平均先物の夜間取引では2万1225円と金曜日の大阪先物の引け比65円高で商いを終えている。

「10/16~10/20」の株式展望

今週の日経平均のメインシナリオは、2万0900円から2万1500円のレンジを想定している。下値は5日移動平均線、上値はボリンジャー2αの2万1236円、それを抜いたら心理的抵抗線の2万1500円が当面のレジスタンスとなりそうだ。

9連騰の上げ幅は約900円に達した。25日移動平均からの乖離は4.25%と警戒レベルの4%を超えてきている。東証1部の騰落レシオの25日移動平均も137%と危険領域と言われる150%に接近してきた。短期的には調整がいつ入ってもおかしくはない。海外市場で111円台に入った事も気がかりだが、基本的に大きな調整はないと見ている。

地政学リスクが収束し、企業業績が改善するのなら、日経平均が2万2000円から2万3000円を目指す展開を想定しておきたい。9月に株高だった年は年末高のアノマリーがある。

2000年以降で9月高は8回あり、そのすべてで10〜12月の四半期は上げている。機関投資家が四半期ベースで運用方針を見直すからではないかとみている。平均では約10%の上昇。最低でも03年の4%、最高は05年の19%だ。もし今回9月末から過去の平均10%の上昇だとすると年末のレベルは約2万2400円となる。

日経平均採用225社の18年3月期の予想EPSは1432円、予想PERは14.8倍。過去のレンジではPERは14倍から17倍に収まることが多い。15倍だとしても妥当株価は2万1480円。16倍なら2万2912円となる。

今週は日本に先駆けて米国の7〜9月期の決算発表が本格化する。予想を上回る決算が多いようだと、日本株の期待感も高まるだろう。指数的には一旦落ち着き決算期待の個別株物色となる可能性が高いとみている。

今週のイベントは、日本では22日の総選挙投開票に向け各党の動向が最大の材料。16日には日米経済対話で麻生財務相がワシントンに出向く。20日には日銀黒田総裁が全国信用組合大会で挨拶をする。海外では18日からはじまる中国共産党大会が最大のイベント。17日からはRCEP交渉会合、18日には米ベージュブック、19日からEU首脳会議がある。EU首脳会議ではBREXITの状況が話あわれる見通し。

経済指標は、日本では16日に9月首都圏新規マンション発売、17日に9月全国百貨店売上、18日に9月訪日外国人客数、19日に9月貿易統計、20日に9月のコンビニ売上がある。海外では、16日に米NY連銀製造業景況感指数、中国9月の消費者物価、17日に米9月の鉱工業生産、ユーロ圏9月の消費者物価指数、18日に米9月の住宅着工、19日に米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、中国7〜9月のGDP、9月の鉱工業生産が注目される。

本格化する米決算では、16日ネットフリックス、17日のゴールドマンサックス、モルガンスタンレーなどが日本株にも影響を与える可能性がある。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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