ウォルマート中国の新総裁が初のマスコミインタビューに応じ、今後の発展策略(戦略)について明らかにした。経済ニュースサイト「界面」が詳しく報じている。内容を見ていこう。

新総裁就任は元BCG、前台湾マクドナルド総裁

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(写真=testing/Shutterstock.com)

ウォルマートは1996年に中国に進出し、通常のショッピングセンターとサムズクラブ(創業者・サム・ウォルトンの名を冠した会員制スーパー)を展開している。2016年末、189都市に439店舗と8カ所の配送センター、11カ所の生鮮配送センターを持ち、10万人近くの従業員を抱えている。仕入れ先中国企業7000社以上と提携関係にあり、販売商品の95%は中国産品である。

しかし2017年上半期には16店舗閉鎖するなど転換期を迎えている。そうしたおり、ウォルマート中国は新しい総裁を迎えた。前台湾マクドナルド総裁、および元ボストン・コンサルティング・グループの陳文淵氏である。

この度初めてのインタビューに応じ、新業態店とネット通販戦略について語った。

従来型より小さくなった新業態店

これまでのウォルマートのショッピングセンターは、6000~1万平方メートル、生鮮食品、衣料、家電、雑貨など2万点の商品を品揃えし、顧客に対しワンストップショッピングを提供するのが基本だった。

8月に武漢と昆明に出店した店舗は5000平方メートルと、これまでの平均から40%縮小している。このコンパクト型こそウォルマート中国の将来発展戦略を担うものだ。今後毎年30~40店舗を出店し、コンパクト型の比率を上げていく。その特徴は以下のようになっている。

  • セルフレジ、セルフ計量の導入。
  • ネットとの融合。独自の3キロ以内配達サービスと“京東到家”(京東の消費者向け配送サービス)の2本で宅配を強化。
  • 商品のQRコード展示。スマホで読み取ると京東のウォルマート旗艦店へ誘導され、簡単に商品購入が可能。
  • 食品比率を50%に上げ、若者と子育て家庭を主要ターゲットとする。

実物商品は食品中心に絞り込み、その他は通販で買って下さいということだろう。

京東との関係拡大

実店舗のコンパクト化と同時に、ネット事業を拡張する。中心はネット通販2位の「京東」との関係強化だ。昨年10月の“京東到家”への参加以来、京東との関係は深化している。現在18都市の134店舗が“京東到家”の宅配を利用している。また上海では双方の合弁により、パソコン、スマホなど小家電の専売店も開店した。京東には、ウォルマートの公式旗艦店と、ウォルマート傘下の英国ASDAの公式旗艦店も出店し、ウォルマートのネット事業は拡大している。

またウォルマートと京東は8月、リアル、ネット共同の大型販促企画を行った。これによって京東に出店しているウォルマートの売上は13倍になり、京東の新しい顧客の50%はウォルマート経由であった。

リアル、ネット融合店は、アリババも行っているし、京東も単独でも実験している。その焦点は、生鮮の即時宅配と、それ以外の商品は店頭在庫を持たないQRコード販売、の2つに絞られているようだ。どこが最初に採算ベースにのる業態を開発するか。ウォルマート中国の将来もそこにかかっているようだ。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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