今週は年初来高値更新で始まったものの、今日の前引け段階では4日続落と冴えない展開となった。先週6日に急落した時の安値から月曜までの戻り幅に対し、すでに半値押しの水準まで売られた。

マーケット・スナップショット
(画像=Bloomberg)

急落した後、すぐに25日線を奪回したのは強い動きであったが、現在は25日線そのものが下向きとなり、サポートラインの役目を果たせない。心理的な節目である2万2500円もあっさりと割り込んだ。

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非常に悪いチャートの形である。2万3000円の壁を試しにいって終値で越えられなかったのはこれで3回目だ。こうなると、6日につけた安値水準(2万2119円)まで再び売られることも覚悟するべきか。しかし、その手前に一目均衡表の雲の上限がある。2万2300円あたりで下げ止まり、その後は緩やかに切り上がる雲の上限に沿った動きとなれば、「下値切り上げ型」の上昇トレンドが継続することになる。2万2300円どころをキープできるか注目である。

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と、ここまでは前引け時点で書いたものだ。それが後場に入って日経平均は急速に下げ幅を縮小し、これを書いている14時現在ではほぼ前日比変わらずで推移している。いったん、いいところまで下げたので調整一巡感が出たのだろう。今日の下げは楽天の参入で、KDDIとソフトバンク、NTTドコモなど通信株が大幅安になったことが響いている。一方、東京エレクやSUMCOなど半導体関連がしっかり。安川電も3%高だ。ハイテクに資金回帰が見られる。112円台前半まで進んだ円高にもかかわらず、一時の200円安を埋め戻した相場の底堅さが確認できた。

17日の日曜日は金正日の命日だ。北朝鮮の動きに警戒したい。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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