昨日の海外時間、欧州時間には独米長期金利が上昇して円売りが強まる場面もありましたが、すぐに収まって円は買い戻されました。東京時間朝方スペイン・カタルーニャ州議会選挙で独立支持派が勝利したことからユーロ売りが強まりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、独長期金利が上昇を始めると、ユーロ買いと円売りが優勢となって、ユーロドルは1.1890付近まで、ユーロ円は134.80円台まで上昇しました。この間ドル円は113.60円台まで上昇したあと113.40円台まで反落しています。その後独長期金利が低下するとユーロも売り戻され、ユーロドルは1.1850台まで、ユーロ円は134.50円台まで下落し、ドル円は113.50円台まで小幅に上昇しました。

NY時間にはいって、発表された米・第3四半期GDP/個人消費/コアPCEが予想を下回ったことからドル売りが強まって、ドル円は113.30円台まで、ユーロ円は134.40円台まで下落し、ユーロドルは1.1870付近まで反発しました。

NY時間午後にはいってからは小動きが続きましたが、終盤各国株価が下落したことからドル円は113.20円台まで下落しました。

東京時間にはいって、スペイン・カタルーニャ州の州議会議員選挙で独立支持派が勝利したことからユーロ売りが強まっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは57%にやや上昇しました。

今日の予定

今日の海外時間には、英・第3四半期経常収支、英・第3四半期GDP(確報値)、米・10月個人所得/個人支出、米・11月PCEコア・デフレータ、米・11月耐久財受注、米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数、米・11月新築住宅販売件数の発表があります。

今後の見通し

昨日の欧州時間序盤には再び独長期金利が上昇してユーロ円が約2年ぶりの高値を更新する場面もありましたが、独米長期金利の一昨日までの上昇が一旦止り、円売りも収まりました。一方、スペイン・カタルーニャ州の州議会選挙では、スペイン中央政府の思惑に反し、83%超という高い投票率にも関わらず独立派が135議席中70議席を確保しました。一旦ユーロ売りに反応しましたが、その後やや買い戻されて今はもみ合いとなっています。クリスマス休暇で明日から4連休となる欧州市場では、どのような反応となるのでしょうか。ただこの問題はあくまでも政治的な問題で、少なくとも短期的に経済に与える影響は限定的なものと考えられ、全般的なリスク回避の動きで円買いが強まるという動きには繋がらないと考えられます。

今日は様子見

引き続き内外金利差が拡大すれば、円安の動きも継続すると考えられます。今後も円安の動きと予想していますが、クリスマス休暇で明日から欧州主要国は4連休、NY市場は3連休となることから、今日はポジションなしで様子見とします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。