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今年は任天堂やソニーの復活などが目立ち、半導体関連や省力化投資で電機・機械のパフォーマンスが良いように思うが、意外にも1位は石油株。確かに原油価格はOPEC減産効果もあって堅調だったが、日本の石油はエネルギー産業というより、ガソリンの元売りだ。世の中は電気自動車の話題で持ちきりだし、日本では車を買う若者も減っている。後継者不足や人手不足もあってガソリンスタンドがどんどん減っている。衰退していくような産業のイメージだが、実はだからこそ業界の再編が進んだ。かつては20社ほどあった石油元売りは合従連衡が進んだ。出光と昭和シェルの合併は、出光創業家の反対でなかなか進まないが、いずれ統合されるだろう。今年4月のJXTGホールディングスの誕生で、上位4社の販売シェアは約9割に達する。ちなみに東証業種別株価指数「石油・石炭製品」に占める比率は1位のJXTGが6割超。ガソリンの供給体制と流通構造がかわり、需給が改善、ガソリン価格が安定してマージン(利幅)が稼げるようになったのだ。

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反対にワースト・パフォーマーは電力。日経平均が26年ぶりの水準に上昇した今年、唯一マイナス・リターンのセクターだ。原発の再稼働ができないなか火力にシフトしたが、円安と原油高で燃料費が増加し、発電経費が増大。電力会社の収益力は低下した。そこに平成28年から始まった電力の小売の完全自由化で、かつての「地域独占」が崩れている。従来の電力会社に加え、ガス、石油、通信など他分野からの参入が相次ぎ、家庭向け電力小売りの競争は激化している。さらに、今後、平成30年をメドに電気料金の自由化が進められる見通だ。「地域独占」は崩れているのに、いまだに各地域に電力会社が存在する。電力会社の再編は避けられないだろう。

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広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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