昨日の海外時間には、世界的な株高が続き、ドル売り、円売りが強まって、ドル円、クロス円が上昇しました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤は、各通貨ペアとも小動きとなりました。その後発表されたユーロ圏・12月サービス業PMI(確報値)、英・12月サービス業PMIなどが堅調な結果となると、次第に欧州通貨買いが強まって、ユーロドルは1.2060台まで、ユーロ円は135.90円台まで上昇しました。

NY時間にはいって発表された米・12月ADP民間雇用者数が25万人と予想の19万人を大きく上回ったことから米長期金利が上昇する中各国株価が上昇し、リスク選好の動きでドル売り、円売りが強まって、ドル円は112.80円台まで、ユーロ円は136.30円台まで上昇し、ユーロドルも1.2080台まで上昇幅を拡大しました。

NY時間午後から引けにかけては、やや円が買い戻され、ドル円は112.70円付近まで、ユーロ円は136.00円付近まで、ユーロドルも1.2060付近まで反落しました。

東京時間にはいって小動きとなっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは73%へさらに上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には、米雇用統計の発表があるほか、独・11月小売売上高指数、ユーロ圏・12月消費者物価指数(速報値)、ユーロ圏・11月生産者物価指数、米・11月貿易収支、米・12月ISM非製造業景況指数、米・11月製造業受注(前月比)の発表と、ハーカー・米フィラデルフィア連銀総裁、メスター・米クリーブランド連銀総裁の講演が行われます。

今後の見通し

昨日は、発表された米ADP民間雇用者数が予想を大きく上回ったこともあって、世界的な株高が続き、NY主要株式指数は再び揃って史上最高値を更新、NYダウは初めて25000ドル台に乗せました。為替市場ではリスク選好の動きで、いわゆる資金調達通貨である円とドルが売られました。

今日は米雇用統計の発表がありますが、主な指標の予想は、失業率4.1%、非農業部門雇用者数19万人増、平均時給の伸び0.3%/2.5%(前月比/前年比)などとなっています。昨日のADPが予想を上回ったことで、今日の雇用統計も良い結果となるのでは、との期待が強まった可能性があります。もしそうであれば、雇用統計結果が上振れた時よりも、下振れた時のほうが強く反応する可能性があります。ただ、すでに大きく上昇している米株価ですが、勢いがあることを考えると、指標が上振れた場合でも材料出尽くしとはならずに素直に上昇するのではないでしょうか。株価の上昇が続けば、再び円売り、ドル売りが強まってクロス円が上昇すると予想します。一方ドル円は、その場合でも再び113円台半ばで抑えられる可能性があります。

ユーロ円ロング継続、損切りライン引き上げ

3日に135.10円で構築したユーロ買い円売りのポジションを継続中です。1円以上利が乗っていますので、損切りラインを135.40円割れに引き上げて最低限の利益を確保しながら、一段の上昇を期待します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。