上院で繋ぎ予算採択できず、連邦予算失効

先週末、アメリカ議会上院で繋ぎ予算の採択が出来ず、連邦予算が失効してしまった。

それに伴い、「自由の女神」などアメリカの政府機関の一時閉鎖という状態になっている。週末なので大きな混乱はないが、これがアメリカ時間の週明けまで採択できない状態が続くことになるとアメリカの生活、社会、経済に少なからず影響が出てくることが予想される。

日本のマーケットは、影響受けず

要因は、トランプ大統領が移民政策に対して厳しい態度を取る一方で、メキシコとの国境の壁建設予算を盛り込みたいという主張を譲らないということだ。

トランプ大統領就任から1年が経過したが、相変わらずという状況である。

今後もこうしたアメリカの民主党と共和党の対立が激化していくことが予想されるが、それでも意外にマーケットは、こういう状況を深刻には捉えておらず、アメリカのマーケットが、週明けどういう動きになるかわからないが、先行して開いている東京マーケットは、円高はそれほど進まず、株式相場の下げも限定的となった。

トランプ就任の1年 経済への影響は限定的

というのは、トランプ大統領の就任の1年間、アメリカ経済は絶好調だったが、それはトランプ政策が良かったからではない。

政治の混乱は続くが、経済への影響は非常に限定的であったということをマーケットは十分理解しているということだ。

この秋の中間選挙は、大きなリスク・ファクターと捉える見方も出ているが、実は、そんなに大きな要因にはならないのではないかと考えている。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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