library
(写真=PIXTA)

プロフェッショナルによる講演やディスカッションから岐阜を学ぶ「みんなの図書館 おとなの夜学」。地元に古くから伝わる文化や歴史にまつわる講座だけではなく、さまざまなテーマを取り上げて対談やディスカッションを行っています。各回50名前後の定員ながら、多くの回で参加率9割以上だそう。満員になる講座も少なくありません。今回は、岐阜在住者の関心を集めるおとなの夜学について掘り下げます。

みんなの図書館 おとなの夜学とは

おとなの夜学は、岐阜県民にすら認知されていない岐阜の文化を学んでいこう、というコンセプトのもとで行われている講座です。岐阜市立中央図書館主催、NPO法人「ORGAN」の蒲勇介氏プロデュースによる企画で、各回その道の専門家を呼び、パネルディスカッションまたは対談形式で講座が進行します。名称にもある通り、対象は岐阜在住の“大人”です。講座には、岐阜に関わりのある大人に岐阜の文化を学んでもらいたい、との願いが込められています。

なお、おとなの夜学に参加できるのは中学生以上で、参加費用はかかりません。ぜひとも参加したい!という場合には、公式サイトへアクセスして希望するプログラムに申し込む必要があります。会場の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」がある岐阜市立中央図書館では、総合カウンターにて直接申し込めるほか、電話での申し込みも受け付けています。

大人のための多彩なプログラム

fish
(写真=PIXTA)

おとなの夜学では、これまで食文化から伝統工芸、都市伝説に至るまでさまざまなテーマで講座が開かれてきました。記念すべき第1回目のテーマは、「岐阜においしいものってあるの?-長良川の食と職-」(2015年12月19日)。岐阜で鮎料理の専門店をオープンした料理人・泉善七氏と、鵜飼の船頭と若手漁師、そしてエコツアー会社の代表でもある平工顕太郎氏を招いてのトークセッションが行われました。講座の中では、長良川や数々の鮎料理など、食文化と職業の観点から鮎について話し合われ、大いに盛り上がったようです。

2016年1月4日に開催されたのは「岐阜で育って世界で戦えるの?-長良川の育む感受性-」です。日比野克彦氏と神戸智行氏、岐阜で育った2人のアーティストが手掛けた作品を観ながら、両名が世界で活躍する秘密に迫るといった内容です。講座の最後には、ユネスコ無形文化遺産に登録された「本美濃紙」に2人が書初めをする特別企画も行われました。

そのほか、2017年8月開催の「岐阜市民の胃袋を覗く食の大冒険-トキメキ! 純喫茶団からガッテン! 食堂団まで-」では、岐阜市民のソウルフードを過去と未来に分けて解説、2017年12月には、1890年に美濃で誕生した焼き物を2名の陶芸マニアが語る「幻の金華山焼きと、美濃古陶-陶片に魅入られたへうげもの-」が開かれました。なお、みんなの図書館 おとなの夜学でこれまでに行われた講座は全てアーカイブ化されており、公式サイトから誰でも閲覧が可能です。

ぎふメディアコスモスって?

ここまではみんなの図書館 おとなの夜学について紹介してきましたが、講座が開かれるぎふメディアコスモスについても見ていきましょう。ぎふメディアコスモスは2015年7月にオープンした複合施設です。90万冊所蔵が可能な市立中央図書館、岐阜市民の活動支援を行う市民活動交流センター、発表会や展示会などに利用できる展示ギャラリーなどを有しています。

ぎふメディアコスモスが担う役割は知・絆・文化の拠点です。図書館に集約された知識と交流センター、ギャラリーにおける市民間交流によって、岐阜の未来をより良くすることを目的としています。

ちなみに、みんなの森 ぎふメディアコスモスには、拠点から発信される情報が宇宙まで届くように、そして拠点を利用する岐阜のみんなが主人公なのだ、との想いが込められているそうです。

今まで知らなかった岐阜の知識を目で見て、耳で聞いて、肌で感じて学ぶみんなの図書館 おとなの夜学。地元の歴史や特産品などについて知ることで、地元をもっと好きになること、地元を今まで以上に大切な存在として認識することにつながるのではないでしょうか。(提供:JIMOTOZINE)