今後の見通し
今週は、既に織り込まれている可能性が非常に高いものの、利上げが前提のFOMCが控えています。パウエルFRB議長の議会証言や、複数のFED高官の発言から推測すると、12月からGDPと失業率の見通しが上方修正される可能性があります。GDPと失業率の見通し変更に伴い、コアPCEの2%到達見通しも2019年から2018年前倒しされることも考えられるため、最終的にドットチャートの上方修正に繋がるようであれば、本格的なドル買いに繋がるかもしれません。
2018年の中立派を利上げ想定3回から4回に引き上げるには5人中4人が見通しを引き上げる必要があります。パウエルFRB議長、ダドリー、クオールズ、ウィリアムズ連銀総裁の4人は引き上げる可能性があり、今回のFOMCはドル買いのイベントとして意識されるかもしれません。
FOMC公表まではドル円戻り売りが効果的か
本日は、参院予算委員会で森友学園文書書き換え問題に関する集中審議が注目されましたが、安倍首相、および麻生財務相から予想通りではあるものの、特段マーケットに影響を与えるような話は出てきませんでした。ただ、森友学園文書書き換え問題が株を買い上げるにはネックとなることは十分考えられるため、週初の上値はあくまで限定的となるのではないでしょうか。
106円台半ば付近では上値の重さが意識されており、106円後半から107円前半へと向かうようなチャートには見えません。106円半ば付近まで戻りがあるようであれば、ここはドル売り円買いのドル円ショートを作りたいと思います。106.80円付近を上抜けるようであれば、損切りのポイントとして考えます。
昨日の海外市場動向
前週末の海外市場では、米・2月鉱工業生産(前月比)、米・2月設備稼働率が市場コンセンサスを上回り、米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)については、市場予想99.2に対して、102.0という結果となり、米国の強い経済指標が浮き彫りとなりました。
米国株式市場については、NYダウが続伸しました。終値は前日比72ドル高の24,946ドルとなり、保護主義色を強めるトランプ政権への警戒感から週半ばにかけて大きく下げた反動が出たものと考えられます。また、FOMCを前に持ち高調整目的の買いも入ったものと思われます。
今日の予定
今日の海外時間には、ユーロ圏・1月貿易収支、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演などが予定されています。ただ、今週は利上げ前提のFOMCを控えていることから、通常マーケットに影響を与えないイベントでもマーケットが動意付く可能性があります。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp