このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。

2018年3月29日(木)Market TalkのSummary

毎年、3月の配当取りが終わると4月上旬から大幅調整となりますが、今年はどうなると予想されますか?

実質新年度入りから相場が崩れるというのは例年のパターンで、特に一昨年は実質新年度入り~名実新年度入りまで大幅安となりその間1,000円ほど下げたが、今年はすでにここまで安くなっているのでそこまでは下がらないのではないか。

ナスダックの見通し

アメリカでは次から次へと想定外の悪材料が出てきている。フェイスブック、アマゾンなど勝者総取りが続いてきたのが一回ほころびがくるとこれまであまりにも強かった分、あちこちからバッシングが一気にきている状況だ。ただ今の逆風をしのげば、最終的なビジネスモデルの強さはほぼ確立されているので、それが急速におかしくなるということにはならないだろう。

アップルやアマゾンが中国との貿易戦争で先が見えず、アメリカ株は重くなっていくのでは?

まず、貿易戦争が起こるのかというと起こりそうにはないと思う。トランプ大統領がぶち上げているだけだからだ。そもそもアマゾンは貿易戦争とは関係ない。アップルについては、iPhoneを作っているのは中国、それをアメリカに持ち買って世界中に販売しているのだから、一律に中国からの輸入に関税をかけるというのはばかばかしいことだが、実際に対象のリストが出てくるまで時間がかかるので、その中で修正されていくと思う。

デフレ脱却は近いと考え、長期でメガバンクへの投資を考えています。

金利が上がらないと銀行株は厳しいが、金利が上がる兆しがみえるだけでも十分に安いので株価的にはリターンがとれる可能性はある。長期的に安いところでほぼつぶれる心配のない日本のメガバンクを買うのはいいだろう。ただこのように「デフレ脱却で金利が上がるから」と割り切って買うならよいが、メガバンクが長期投資の対象に耐えうるような魅力的な企業かと考えると、そうではないと思う。

今後のドル円の展望は?

為替は理屈どおりに動くものではなく予想は難しいが、ドル安にはならないだろう。今トランプ大統領のやっていることは自国通貨高になるということと、需給の面でシカゴの投機筋の円売りポジションがほぼ解消されたということ、つまり売ったものをほぼ買い戻してしまった、そしてここから更に買っていく材料はないことから、今後は理屈どおりの動きに回帰するのではないか。

3番底懸念は、どうでしょうか?

日本株は3月中に底を打って、4月からは戻りの相場、5月はセルインメイと言われるが今年の5月は戻ってくると思う。逆に9月頃にもう一回底がくる可能性があると思う。引き金になるのは自民党の総裁選で、安倍首相が3選されるかどうかがポイントになるだろう。

その他、ハイテク・半導体株についてコメントしています。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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