昨日の海外時間には、トランプ大統領がツイッターでシリアへのミサイル攻撃を示唆したことからドル売りが強まりました。NY時間午後に公表されたFOMC議事録は、ややタカ派的なものでしたが、米長期金利は上がらなかった一方株式市場がやや圧迫されました。
今後の見通し
昨日はトランプ大統領が「ロシアはシリアに向け飛来する全てのミサイルを撃墜するとしているが、ミサイルは飛んでくるので備えた方が良い」とツィートしたことで、シリアへのミサイル攻撃が近いとされてリスク回避の動きが強まって円買いになりました。しかしドル円は月曜日の安値を割り込むことはなく、106円台半ばは底堅く見えます。またNY時間午後に公表されたFOMC議事録では、「経済活動見通しが強まっているほか、インフレ率が中期的に2%に回帰するとの自信が深まっている。それにより、今後数年におけるFF金利の適切な軌道が従来予想より若干傾斜を強める可能性が高いと、幾人かの参加者が示唆した」「(巨額減税や歳出拡大が)今後数年間、景気を大きく押し上げるだろう」などとされ、利上げのペースがやや早くなる懸念からやや株価が圧迫されました。米中貿易摩擦に変わって、シリア情勢が市場が最も注目する材料になった感がありますが、ドル円の106円台半ばは底堅くなっているため、これまで通り押し目買いを続けます。
再びドル買い、106円台半ばは底堅く見える
昨日書いたように106.80円で再びドル買いポジションを作りました。損切りラインは106.50円割れです。利食いは108円台を目指したいのですが、107円台半ばで伸び悩むようなら利食います。
海外時間からの流れ
欧州時間、ユーロドルが1.2370台を中心としたもみ合いが続ける中、円買いが優勢となってドル円は106.80円台まで、ユーロ円は132.10円台まで下落しました。その後トランプ大統領が「ロシアはシリアに向け飛来する全てのミサイルを撃墜するとしているが、ミサイルは飛んでくるので備えた方が良い」とシリアへのミサイル攻撃を示唆したことから米長期金利が低下する中全般的なドル売りが強まって、ドル円は106.60円台まで下落し、ユーロドルは1.2390台まで上昇しました。
NY時間にはいると一旦ドルの買戻しが優勢となってドル円は106.90円台まで反発し、ユーロドルは1.2360台まで反落しました。しかし原油相場が上昇するとドル売りが強まって、ドル円は106.60円台まで下落し、ユーロドルは1.2390台まで上昇しました。
NY時間午後にはいると米長期金利が上昇したことから再びドル買いが優勢となって、ドル円は106.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.2370付近まで下落しました。その後FOMC議事録が公表されると「FF金利の適切な軌道が従来予想より若干傾斜を強める可能性が高い」などとされたことからドル買いが一段と強まって、ドル円は107.00円台まで上昇し、ユーロドルは1.2340台まで下落しました。NY時間引けにかけて米長期金利が反落するとドルも売り戻され、ドル円は106.70円台まで下落し、ユーロドルは1.2370付近まで反発しました。
東京時間にはいって、日経平均が下げ幅を縮小していることから円売りが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間にはユーロ圏・2月鉱工業生産、米・3.月輸入物価指数、米・新規失業保険申請件数の発表があるほか、 欧州中央銀行(ECB)議事要旨の公表とバイトマン・独連銀総裁の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp