4月9~13日の東京株式市場は堅調に推移した。この週は米中貿易摩擦に対する警戒ムードが後退したこともあり、総じて底堅い展開だった。13日の日経平均株価は前週末比211円22銭高の2万1778円74銭で取引を終了、週間ベースでは3週連続の上昇となっている。
上位4銘柄が「かい離率」で+20%を超える
それでは、今回は東証マザーズ市場で25日移動平均からの「かい離率」の高い銘柄をみていこう。
(1)クラウドワークス <3900> +41.34%
(2)メディアシーク <4824> +29.00%
(3)ユナイテッド <2497> +25.20%
(4)アスカネット <2438> +20.98%
(5)トランザス <6696> +18.67%
(6)ロコンド <3558> +18.23%
(7)エリアリンク <8914> +17.99%
(8)串カツ田中 <3547> +16.73%
(9)ソネット・メディア・ネットワークス <6185> +15.71%
(10)ファンデリー <3137> +15.44%
※銘柄、証券コード、かい離率(13日終値時点)の順。
ランキングが示す通り、上位4銘柄がかい離率で+20%を超えているが、その中でもTOPのクラウドワークスが+41.34%と突出している。業種別ではサービス業と小売業が各3銘柄と最も多く、次いで情報・通信業が2銘柄、残りは不動産業、電気機器が各1銘柄だった。
クラウドワークス、「フリーランス市場の成長」が追い風に
今回は上記ランキングの中から、クラウドワークス、アスカネット、トランザスの3銘柄を取り上げたい。
クラウドワークスは、東京都渋谷区に本社を置く、総合型クラウドソーシングサイトの運営企業。2014年12月に東証マザーズ市場に上場した。
4月4日、同社と競合するランサーズが「フリーランスの経済規模が初の20兆円超え、副業経済は8兆円規模へ!」と題する『フリーランス実態調査』(2018年版)を発表した。この発表を受けてクラウドワークス株にも先行きの成長期待の買いが集まった。
今年で4年目となるランサーズの『フリーランス実態調査』によると、日本における副業・兼業を含む広義のフリーランスの推計経済規模が20.1兆円と前年比で9%成長し、初めて20兆円を超えた。また、広義のフリーランス個人の平均報酬は186万円で、昨年比で12%増加しているという。
ランサーズは上記フリーランスのうち、副業(本業・副業を区別しない労働者を含む)フリーランスの数は744万人で、経済規模は7兆8280億円と「8兆円近い規模」になったことも明らかにしている。
今回の株価上昇で、クラウドワークスの25日移動平均からの「かい離率」は+41.34%に達し、上記ランキングでTOPとなった。
アスカネット、豊富な材料を手掛かりに人気化
アスカネットは広島県広島市に本社を置く、写真とデジタルを融合したサービスを提供する企業。葬儀社向けの遺影写真や、個人の写真集制作が売り上げの軸となっている。
アスカネットの株価は、4月に入り強気ペースの展開が続いている。手掛かりとしては、空中で映像を表示するディスプレー「アスカ3Dプレート」の開発に加え、葬儀社と喪主と会葬者を繋ぐサービス「tsunagoo」や、写真サービスに関するNTTドコモとの提携などの話題が相次いでいる。
日経平均株価など全体相場に不透明感を残す中で、新興株式市場では材料の豊富な銘柄を選好する傾向にあるようだ。
トランザス、ウェアラブルデバイスを米半導体大手が採用
トランザスは神奈川県横浜市に本社を置く、電気機器メーカー。IoTソリューションサービスやIT業務支援サービス等の開発・販売に携わっている。
4月13日、トランザスは自社グループが開発したウェアラブルデバイスが、マレーシアのソフィック・オートメーションを通じ、米半導体大手のマレーシア工場に採用されたと発表した。ソフィックが開発したリアルタイムでのマシン監視システムの連携端末として使われるという。
トランザス株は上記発表を受けて急伸、25日移動平均からの「かい離率」は+18.67%となり、今回のランキングで5位となった。(ZUU online 編集部)