2018年5月10日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は、再び110円を視野に入れた動きとなってきた。5月2日(水)に3カ月ぶりにつけた110.03円の高値を超えてくると、上昇に弾みがつき、200日移動平均線の指す110.20円の突破を試してくる可能性もありそうだ。

イランや北朝鮮問題を巡る地政学リスクの鮮度は低下しており、当面鍵を握るのは米国の長期金利、ほぼイコールで日米の金利差となってくるだろう。具体的には10年債利回りが3%を超えてきたが、ここからさらなる上昇があるかどうかが焦点だ。

米国のインフレ率が上昇基調にあるため、長期金利も下がりづらい地合い。一方で、FOMCは短期的にインフレ率が2%を超えても利上げを急がないといった意向を示した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日10日(木)に予定されている米消費者物価指数や30年債入札、これらをこなすと、金利の上昇圧力は一旦和らぐ可能性もあり、それも想定しておいた方がよさそうだ。その点からいうと米ドル/円が110円を超えて上昇を続ける可能性はどちらかというと低いのではないかとみている。大きく下がらないまでも上がりにくくなってくるかも知れない。

もう一つ、ドルの方向性を左右する材料として、BOEの動きも重要。今回の利上げ自体は見送りが濃厚だが、8月の利上げに含みを残してくる可能性がある。インフレ上昇に繋がるポンド安を警戒しているが、英ポンド/米ドル相場は、年初来安値に接近している。この点を考えると、ここからさらにハト派姿勢を強める公算は小さい。

本日10日(木)は、BOEの議事録、インフレレポート、カーニー総裁の会見もセットになっているスーパーサーズデーだ。ここで、ポンドに買い戻しが入ってくると、今までのドル買いが一服することも考えられるため、BOE絡みのイベントにも注目しておきたい。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。