2018年5月24日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

円が全面高の動きとなっている。きっかけは、トランプ米大統領が、米朝首脳会談が行われない可能性があると発言したことや、米国の自動車輸入に掛かる関税を強化するとツイートしたことなどが引き金となっているようだ。

これで、リスク回避の円買いが強まっている。いわば、トランプリスクの円高だ。しかし、これはもういつものことなので、マーケットも慣れている。また米朝首脳会談に関しては、予定通り行われる可能性の方が高そうだ。よって、さほど長続きする材料ではないと考えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

そこで、重要なのはFOMC議事録で示されたFRBの政策スタンスだ。インフレが一時的に目標を超えて上昇した場合でも容認する意向を示した。つまりインフレ率が2%を超えていったとしても、すぐに利上げペースを加速する考えはないということを示した形だ。

これを受けて、今年4回以上の利上げがあるかも知れないと考えていたマーケットが落胆した感があり、10年債利回りが3%を割り込んできている。そうなると、日米金利差によるドル買い円売りを進めてきただけに、その巻き戻しが入りやすい状況となるだろう。

米ドル/円は昨日の下落で200日移動平均線や52週の長期移動平均線を全て下回ってきた。現在、調整ムードが広がっており、調整の目処としては、3月から5月に掛けての上げ幅の38.2%押しが108.80円前後、半値押しが108円ちょうど付近。この辺りがポイントになるのではないかと考えている。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。