2018年6月7日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
まずは、来週の予定を確認したい。12日(火)と13日(水)にはFOMC、14日(木)にはECB理事会、14日(木)と15日(金)には日銀金融政策決定会合と、来週は日米欧の金融政策ウィークとなっている。
そうした中、現在は米国の長期金利が上昇しやすい環境へと回帰。ヨーロッパでは、イタリアの政局不安が緩和しており、また昨日6日(水)はECBの出口観測が浮上。米国では利上げは確実視され、さらには利上げペースが加速するのではないかという観測もある。
そんな状況下のため、当然、出口レースで周回遅れの円は売られやすい環境にあり、そういった意味では、米ドル/円は上昇地合といえるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
明日8日(金)とあさって9日(土)にはカナダでG7首脳会議が予定されている。米国の保護主義政策ヘの批判が強く、トランプ米大統領の孤立化が懸念されている。しばらくの間、市場の関心は、一旦金融政策の方へ向いていたが、今回のG7で、再び通商政策に引き戻される形となると、円高圧力が再燃してもおかしくない。
また来週12日(火)に米朝首脳会談も予定されており、足元では融和ムードが広がってはいるものの、トランプ氏と金正恩氏の組み合わせは予測不能な面も非常に強いため、再び政治リスクに焦点が当たる可能性も否定は出来ない。
米ドル/円は近いうち113円を目指して上昇すると考えてはいるものの、短期的には米朝首脳会談で動きづらいだろう。現在は、来週の金融政策ウィークに向けて買い場を探す局面だと考えており、現在110円を再び割ってきているが、109円台の前半まで下がれば、押し目買いのチャンスになると考えている。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。