2018年6月28日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

まずは米ドル/円の昨日27日(水)からの流れについてだが、米トランプ政権が中国の対米投資制限に関して、最も厳しい措置は取らないとの方針を示した事で、米中の貿易戦争懸念は一旦和らいだ。しかしその後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は「トランプ米大統領は中国への姿勢を弱めているわけではない」と説明し、また元の木阿弥に。リスクオフ気味で、本日28日(木)朝は110円を割り込む展開となった。

ただ、米中貿易摩擦が米ドル/円の上値を抑える傾向は、なかなか急には変わらないとは思われるものの、一方で6月末のドル買いのフローが出ているようで、今週に入ってからは、日本の夜間、ロンドンフィキシングの時間にドルが買われるケースが非常に多くなっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円の4時間足のチャートをみると、20時から24時の足は、今週25日(月)から27日(水)までの3日間とも、全て陽線となっている。ロンドンフィキシングの前後、NYの午前中の時間帯に何かしらのドル買いのフローが出ているが、これが何かというのはなかなか想像の域を出ない。しかし、トランプ減税の影響で米国の海外進出企業の海外保有利益の本国還流、いわゆるリパトリは、減税措置が決まっているため、この動きではないかとみている。

本日28日(木)朝も110円を割り込んだあと少し揉み合っているが、ここから大きく下げるような展開にもなりづらく、むしろ夜間のドル買いに関しては期待が出来そうだ。そうなると結局110円を挟んでの揉み合いが予想され、なかなか110円の半ばを超えて6月の月初来高値である110.90円に向けて上昇していくという流れには、なりづらそうだ。一方で109円を割り込んで108円台に向けて下落していく流れも考えづらい。上下どちらにも行きづらい、そんな状況ではないかと考えている。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。